本記事は全国に31店舗を展開する美容室【CIEL】の創設者で、OXY株式会社代表取締役である山下拓馬氏の書籍『よそ者経営』より、一部抜粋・編集し、株の知識ゼロで入社した新人証券マンの苦悩を見ていきます。

外回りから帰ってきた後、毎日延々と陰湿な説教が続く

9時になればそれぞれ担当地区に分かれて戸別訪問だ。毎日、名刺と何種類もの投資信託のパンフレット、担当の都島区にある野江内代駅付近の白地図をマチの広いカバンにぎゅうぎゅうに詰め込み、担当地区の家々を1軒ずつ歩いて回る。一日100軒、一週間で駅から半径1キロメートルほどの担当地区を全て回り終える。毎週それを繰り返す。

 

まずは名刺を交換してもらい、相手の名刺を集めてくるのだが、住宅地ばかりで会社や商店が少ないと枚数が集まらない。それでも枚数が少ないとサボっていたと決めつけられてネチネチと怒られる。

 

相手先を訪問する時にもルールがある。インターホンを押すときは、どんなに暑くてもネクタイにスーツが必須だし、どんなに寒くてたとえ雪が降っていても、傘を差してはいけない。コートも手袋も脱いでおかなければならない。これが営業の基本というのだが、そんなことが営業成績に影響するとは思えなかった。

 

実際の訪問の時の格好なんてわかりっこないと思っていたら、ある日外回りから帰ると、課長が僕の鼻先に携帯電話の画面を突き出してきた。

 

「やましたっ! お前は言われたことも守れないのか⁉︎」

 

そこにはコートを着て手袋をしたままで資料を渡している僕の姿が写っている。部長と課長が交代で、メンバーの後をつけてサボっていないか監視していたのだ。

 

「お前は小学生以下やな! そんな態度では一生使い物にならんな」

「お前みたいな使えんやつに、こっちは給料払って教育してやってるんだ!」

 

外回りで歩き疲れて帰ってきた後、毎日延々と陰湿な説教が続く。これは指導なんかじゃない。ただのイジメだ。そう思っても、どこにも訴えることはできない。ただ耐えるしかない。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『よそ者経営』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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