※画像はイメージです/PIXTA

起業をしたなら「いつか上場できるくらい、大きな会社にしたい」と多くの経営者が思っていることでしょう。本連載では、IPO・上場支援で数多くの実績をあげている株式会社タスク代表取締役の竹山徹弥氏がIPOの基本や必須事項、会社上場にまつわる裏話など解説していきます。最終回となる今回は、2022年の市場再編によって、上場企業、IPO準備会社に求められるものを見ていきます。

 

(1) 取締役会の充実

社長は取締役会を業務上の最高意思決定機関として位置づけ、議論を活発化させ、議論の過程を含め記録として残し、透明性の高い経営管理体制を構築することが重要です。

 

(2) 経営監視体制を機能させること

社長は経営者にとって都合の悪い話も真摯に受け止め、特に内部監査、監査役や監査役会、監査法人の指摘を経営に取り込むことが重要です。

 

(3) 社外取締役の選定

社外取締役を選定し社長の経営の考え方などに対してアドバイスを求め、経営に取り込むことが重要です。

 

(4) 労務環境を整備すること

社長は率先して労務環境を整備し、経営指標に取り込むことが重要です。

 

(5) 経営計画の妥当性を検証すること

社長は経営計画に対する見通しを常に検証し、新規事業に成長の源泉を求める場合は計画の妥当性を含め特に慎重に対応することが重要です。

 

(6) 社内規程集の整備と遵守

社長は社内規程集を社内の法律として整備し、率先して遵守し、毎年必要に応じて更新することを経営に取り込むことが重要です。

上場して終わりではない!上場後が重要

長い上場準備期間や、厳しい審査を経て晴れて上場会社となりますが、上場後の成長という果実を手に入れなければ何のための上場なのか分からなくなります。

 

創業者利潤も株式上場のメリットとして非常に重要な要素ではありますが、特にグロース市場に上場する企業は高い成長性を約束して上場することを考えると、まさに株式上場は経営の新たなスタートといっても過言ではありません。

上場準備期間は「かけがえのない」時間

これまで、株式上場までの道のりをそのプロセスに準じて説明してきました。総論としてお伝えしたいことは、上場準備をただ単に審査をクリアするための期間として捉えてはいけないということです。

 

上場準備期間を、「上場会社となり更なる成長を遂げるための条件を整備するチャンス」として捉えてください。かけがえのない期間であり、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の在り方や経営計画に対する厳しさなどを学び、経営者にとって、経営計画の妥当性や経営の透明性を証明できることなど大きな果実を手にすることができます。その後の長い上場会社経営における、大きな起点となります。

 

筆者は、新しい技術やビジネスがどんどん創出され、世界のマーケットに挑戦するベンチャー企業が我が国の経済成長のエンジンとなることを信じて疑いません。そして、そのエンジンを加速する大きなパワーを株式上場により獲得できると考えています。

 

頑張れベンチャー企業!

 

頑張れ日本!

 

そのような精神で、株式上場を通じ、我が国のベンチャー市場がさらに強くなることを心から祈っております。

 

 

株式会社タスク
代表取締役
竹山 徹弥

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