米国有数の資産規模を誇る運用会社であり、世界各国の年金基金や機関投資家に各種運用サービスを提供するプリンシパル・グローバル・インベスターズ(PGI)。同社の不動産投資部門でポートフォリオマネジメントを統括するマネージング・ディレクター、マーク・ペーターソン氏にインタビューを行った。聞き手は、香港の新しい金融機関であるニッポン・ウエルス・リミテッド(NWB/日本ウエルス)のシニア・マネージャー幾田朋彦氏である。第3回目は、商業用不動産担保証券(CMBS)の信用力などがテーマとなる。

不動産の価値が「担保証券」の信用力を決定

幾田 社債においては発行体の信用度が重要ですが、商業不動産担保証券(以下CMBS)においてはどうでしょうか?担保としているローンの信用度が格付けを左右すると言えますか?

 

マーク そうです。ローンが格付けを決定する唯一の要素です。例えば、モルガンスタンレーがCMBSを発行したとします。しかし、モルガンスタンレーの信用度はCMBSの信用度や価格などに一切影響をおよぼしません。CMBSはノンリコースローン(責任財産限定型の融資)です。

 

融資対象物件(責任財産)の収益のみが返済原資で、債務者自身に返済責任がないため、債務者の他の資産からは回収できません。ですから、融資の対象となっている裏付け不動産の価値が、ローンの信用度となり、債券の信用度を決定する要素にもなるのです。

 

 

幾田 なるほど。不動産の価値判断が非常に重要なのですね。

不動産の査定ではグループ内の各種情報も活用

幾田 では、不動産をどのように調査し、査定しているのですか?

 

マーク 私たちプリンシパル社はアメリカの商業用不動産に融資を行っています。様々なクライアントに、平均して30から40億ドル程度の商業用不動産向け融資を行っており、アメリカの市場で活発な貸し手となっています。

 

ですから、様々な商業用不動産に関する情報やデータを入手できます。CMBS投資で最も困難な点は、全米各地の様々なタイプの不動産に融資する50から100の異なるローンのリスクを査定しなければいけないことです。

 

私たちは同じグループ内のローンの引受業者から、不動産の価値、ローンの信用度、借り手の情報など様々な情報を入手することができます。米国内の主要45~50都市をカバーしており、これらは、CMBSの分析を行う上で、非常に優位です。

 

幾田 融資先の不動産を評価するために、物件を見に行くのですか?

 

マーク いいえ、私たちは実際に足を運びませんが、グループ内の引受業者からの情報と経験を最大限に活かします。プリンシパル・グループは、不動産融資の引受業務を行う部門の他に、エクイティ投資を通じて不動産を所有する部門も有しており、クライアントのために商業不動産の運営も行うなど、多岐にわたり不動産市場に関わっています。その経験と知識は、非常に貴重です。

 

 

幾田 御社グループが融資しているローンで組成されたCMBSにも投資するのですか?

 

マーク いいえ、利益相反を避けるため、グループ内で組成し新規に発行したローンには投資できないことになっています。発行後、一定の期間が経過した後、セカンダリーマーケットでの投資は可能です。

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    本稿は、情報提供を目的として、インタビュー時点での経済データ等をもとに個人的な見解を述べたもので、プリンシパル グローバル インベスターズ(PGI)およびNWBとしての公式見解ではありません。また、特定の金融商品への投資の勧誘を目的とするものではありません。

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