コロナ禍で観光客激減でも、なぜニセコは活況なのか
外国人が牽引してきた、今日のニセコブーム。インバウンド対策として、日本語に英語や中国語を併記する看板は国内でも増えましたが、ここニセコでは英語だけというのも珍しくありません。現地は日本でありながら外国の空気が流れています。
また日本でインバウンドがブームになる前、日本を訪れる欧米人は富裕層が中心でした。地理的に遠く、旅費も高額になります。必然的に欧米人の中でも富裕層がニセコを訪れるようになったというわけです。
そのため当初からニセコでは、外国人のなかでも富裕層に特化して観光客対策が行わてきました。そして外国人富裕層をターゲットに外国資本が次々に参入。別荘やコンドミニアムの開発、高級ホテルの誘致が続いたのです。
2020年、ハイアット ホテルズ アンド リゾーツの最高級ブランドの「パークハイアット」が誕生。国内では東京、京都に続く、3ヵ所目のオープンとなりましたが、ここニセコでは日本初のレジデンス付き「パーク ハイアット」として大きな話題を集めました。
さらにマリオット・インターナショナルも世界にまだ数軒しかない「リッツ・カールトン」による最上級ホテルブランド「リッツ・カールトン・リザーブ」を国内で初めてオープンさせました。さらに2023年には、あのアマンも開業する予定です。
昨今、国内リゾートの多くが衰退の一途をたどっていますが、それは消費が中心に考えられてきたという側面があります。一方、海外資本は投資を中心に据えています。消費が短期的なものだとすれば、投資は長期的な視点のもと行われるもの。世界の富裕層からみると、日本の不動産はまだまだお手頃感があり、外国人富裕層から人気のニセコは、魅力的な投資対象だというわけです。
国内資本によって形作られてきた国内のリゾートと、海外資本によって形作られてきた昨今のニセコには、消費か投資か、という決定的な違いがありました。世界の富裕層から愛されているニセコは資産性の高いリゾートであり、地価の上昇を支えています。
ニセコではリゾート開発のほかにもインフラ整備も進んでいます。2030年開業予定の北海道新幹線では、ニセコの玄関口である「倶知安」に駅ができる予定。交通利便性も格段に向上する予定で、ますます投資対象として世界から注目が集まることでしょう。
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