ニセコ…6年連続で地価上昇率日本一
道都札幌から国道230号線で中山峠を越えたあと、ルスツで道道66号へ入ると、いまやスノーリゾートとしてその名を世界にとどろかせるニセコに到着します。
ニセコは「蝦夷富士」の愛称で道民から親しまれている羊蹄山の南西の「ニセコ町」のほか、その北側の「倶知安町」、ニセコ町の西に位置する「蘭越町」と、3つの町を総称して指すことが多いようです。
難関な地名が多い北海道ですが、なかでも「倶知安」はその代表格。かつては「くっちゃん」と呼べるのは、道民か、かなりの北海道通だけでした。しかし昨今は1年に1回、ニュースでその名を目にするのが恒例となっています。
それが地価上昇率。2021年、国土交通省が発表する公示価格上昇率第1位は「倶知安町」で1㎡あたりの評価額は8万4575円、前年から17.65%上昇。その前年は44.01%の上昇だったので、やはりコロナ禍の影響は否定できません。それでも上昇率日本一は6年連続のことでした。
訪日外国人旅行者を2020年には4,000万人、2030年には6,000万人に……そんな政府目標から、日本の観光業界は大きく盛り上がっていましたが、突如として世界を襲った新型コロナウイルス。インバウンド需要はほぼゼロになり、観光業は苦境に立たされています。
そんな状況をよそに、「ニセコ」ではホテルの建設ラッシュは続き、公共事情も活況に満ちています。
ニセコが世界的スノーリゾートになったワケ
そもそもなぜニセコは世界的なスノーリゾートになったのでしょうか。
ニセコの由来にもなってる、標高1,308mのニセコアンヌプリ山には、元々ニセコアンヌプリ国際スキー場、ニセコひらふスキー場(現ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ)、ニセコ東山スキー場(現ニセコビレッジ)、ニセコひらふ花園スキー場(ニセコHANAZONOリゾート)と4つのスキー場があり、世界の4大スキー場のひとつに数えられていました。
ニセコの魅力といえば、その雪質。日本海から吹き付ける北風がアンヌプリ山を越える際に乾いた雪となって大量に降り積もるため、まさに吹けば飛んでいくようなパウダースノーが楽しめます。
また山頂付近は森林限界を超えているため立木がなく、広大な新雪ゾーンが広がります。その光景はスイスのアルプスやカナダのウィスラーのよう。傾斜30度を超える非圧縮の山頂からホテルなどがある山麓まで一気に滑り降りるエキサイティングな体験は、日本国内ではそうそうできるものではありません。
2000年代初頭。そんな環境に注目したのがオーストラリア人でした。ちょうど季節が反対の日本。真夏に雪を求めて世界を見渡した時、時差が小さく、また地理的にも近い日本に注目が集まります。なかでもニセコのパウダースノーは別格でした。
SNSでニセコの魅力が広がっていくと、ニセコ・ひらふ地区を中心にオーストラリア人観光客が増加。徐々に定住者も増えていくと、オーストラリア資本のマンションやコンドミニアムなどの不動産開発が拡大していきました。
こうしてオーストラリア人を中心とした欧米人に人気が高まったニセコ。次に注目したのは中国人でした。きっかけは2008年に中国で公開となった映画『非誠勿擾』。その舞台となったのが北海道で、道内の各地で撮影が行われました。この映画は中国国内で当時、歴代興行成績1位を記録するほど大ヒット。中国で北海道ブームが到来しました。
中国人が日本に来る際に人気なのがレジャー体験で、北海道で特に人気なのが「スキー」。広大な中国では雪を見たことのない人が多いためだと考えられます。そしてバラエティ豊かなコースが揃うニセコは、未経験者でも雪遊びが楽しめるエリアとして人気が高まりました。
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