仲間や取引先が協力的に動いてくれる「日々のひと言」
一緒に働く仲間には、その人の成長を意識して任せる。わたしはこのスタンスを大切にしています。
任された本人が、自発的に行おうと思ってもらえるように誘導したいので、「こんなふうに成長してほしいから、この仕事を任せるよ。期待しているよ」と目的まできちんと伝えたうえで背中を押します。
お客様や取引先に対しては、お互いに気持ちよくやっていくための小さな工夫をします。
誰かがほめていれば「Aさんがありがたいとおっしゃっていましたよ」とかならずその人に報告し、感謝の気持ちも毎回伝えます。
そうすると、早めに審査してもらえたり、何かと優遇してもらえたり、通常ではありえないような協力をしていただけるということが起こります。
仕事がうまくいくときは、ただ業務がまわっているだけでなく、かかわる人たちが、気持ちよく動いているように思います。そこには「力を出しきってもいい」と思える安心と信頼があるからです。
こういった気持ちのよい人間関係を築くまでに時間はかかるかもしれませんが、そのためにできることは決して大がかりなことではなく、日頃の小さな心がけだけなのです。
若手に伝えている「絶対にしてはいけない3つのこと」
真面目で頑張っている人でなければ、人は応援したいとは思わないものです。
わたしが若手のメンバーにいつも伝えていることは、「嘘をつくな」「ずるいことはするな」「マイナスの仕事をするな」この3点です。
コンサル先の企業の若手社長たちにも、同じ話をします。
「商売なので駆け引きはいい。でも相手を騙すことと、嘘をつくことはしてはいけない」
「できないことを『できる』と言ってしまうのは、騙すことと同じ」
一度「マイナスの仕事」を受けると、マイナスが続く
過去にこんな若手がいました。
「大林さんの紹介ですし、マイナスの仕事でも最初のお付き合いなので名刺代わりに受けようと思います」
そのとき、わたしはこんなアドバイスをしたのです。
「マイナスの仕事を受けると、ずっとマイナスの仕事しかこなくなる。今回はマイナスでも次の仕事はプラスになるという確約があるなら、仕事を受けてもいい。でも、次があるかわからないのにマイナスの仕事を受けてしまったら、次も同じような仕事しかこなくなるよ」
そして、彼には、先方にはプラスになる予算を提案し、「これならできるけれど、これはできません」と正直に伝えるように言いました。
仕事の受け方は、後々まで影響してしまうだけに、あまりにも条件がよくない案件を提示されたときには注意が必要です。
飲み会の席で目撃…人望を失う「ずるい振る舞い」
また、ずるさは人望を失います。
以前、顧問を担当していた企業で、顧問就任前に飲み会に行ったことがあります。そこに社長と付き合いのある、年上の取引先の方が同席しました。
おそらく、社長が飲み代を支払うのだろうなと思って見ていたのですが、その取引先の方がお店のウエイターに「ワインを出していいぞ」と言い、お会計のときには「俺がワインを入れたから、ワイン分だけ払ってくる」とワイン代だけを支払ったのです。
その後社長から、その取引先の方は、いろいろな案件を紹介してくれるので飲みに連れて行っているということを聞いたので、「やめておいたほうがいい。年間1〜2件程度なら、割に合わない。飲んで、格好つけてワインを入れて、自分の割り勘分も払わない。はじめて会ったわたしも同席しているなかで、年上であるにもかかわらず、自分の分を人に払わせてワイン代だけ払うなんて、付き合う価値はないと思うよ」と伝えました。
男性の場合はとくに、飲み会の席での振る舞いで、その人の本音が見えることがよくあります。おごってもらっているのに格好つけたり、ご馳走になっているのに「ご馳走さまでした」を言わない。
こういった振る舞いをする人は、仕事でもずるいことをしかねません。ずるいことを考え出したら、人生は傾きはじめます。
仕事の場面でも、プライベートの場面でも、嘘をつかないこと、ずるいことをしないこと、マイナスの仕事をしないこと。とても基本的なことですが、怠ってはいけないところです。
大林 誠一
シーアンドシー株式会社 代表取締役