ガソリン価格が「国内の需給」とサッパリ連動しない納得のワケ

車を運転する人ならきっと、ガソリン価格の変動を気にしたことがあるでしょう。そしておそらく、わけもなく突然値上がりしたり、いつの間にか落ち着いていたり、国内の景気動向と関係があるとは思えない不思議な動きをすることに、疑問を感じたことがあるのではないでしょうか。じつは、一見不可思議にも思えるそんなガソリン価格の変動にも、経済学の原則を知れば納得の理由があるのです。経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

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モノの価格は「需要と供給」で決まるのが大前提

物の値段は需要(買い注文)と供給(売り注文)が等しくなるように決まる、というのが経済学の大原則です。買い注文が多ければ値段が上がっていき、売り注文と等しくなるまで値上がりが続くからですね。

 

買い手が多いということは、取引相手を見つけることができない買い手がいるわけで、そうした買い手は売り手に「ほかの買い手に売らずに私に売ってくれれば、ほかの買い手より高く買いますよ」というでしょう。

 

そうして次々と買い手が高い値段を提示するようになり、結局買い手の何人かが諦めたり、売る気がなかった売り手が参加したりして、買い注文と売り注文の量が等しくなるわけです。

 

理屈は以上なのですが、ガソリンスタンドで売っているガソリンの値段も、そうした原理で変動しているのでしょうか。別に需要が増えたとも思われないのに値上がりしたり、需要が減ったとも思われないのに値下がりしたりしますね。

 

なぜでしょう? それは、ガソリンの値段がニューヨークで決まっているからなのです。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

原油価格はニューヨークで決定するので…

ガソリンスタンドは、仕入れたガソリンの価格に諸コストと適正利潤を上乗せして販売するのが普通です。諸コストというのは、従業員の給料、ガソリンスタンドを建てたときの費用の減価償却費、銀行借入の金利などですから、それほど大きく変化するものではありません。適正利潤も、それほど大きくは動かないでしょう。

 

つまり、ガソリンの価格が大きく変動するのは、ガソリンの仕入れ価格が大きく変動するからなのです。

 

原油価格は、ニューヨークで決まります。世界中から原油を売りたい人と買いたい人がニューヨークに集まって売り買いをするからです。

 

ガソリンスタンドはそこで決まった値段で原油を輸入しますが、ニューヨークで決まる値段はドル建てなので、支払いのために銀行でドルを買う必要が出てきます。そして、ドルの値段もまた、ニューヨークで決まるのです。

 

世界中で原油やドルを売り買いしたい人がニューヨークに集まるため、原油やドルの値段がニューヨークで決まり、その値段を使って、ガソリンスタンドがガソリンを仕入れるわけですね。

 

だから日本国内のガソリンの需要と供給とは無関係に、ガソリン価格が変動するわけです。

 

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経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と無関係に個人として行なっているものであるため、現職欄には経済評論家と記すものである。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』(以上、祥伝社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

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