恐ろしい…「段取りの悪い現場監督」がいると?
現場監督の業務能力を見分ける感覚的な基準のひとつとして、現場に張り付いているかどうか、という視点がある。簡単に言えば、現場の段取りがいい監督の場合は、スムーズに職人の作業が進むから、監督は必要最低限のポイントを確認する程度で済む。
逆に段取りが悪い監督の場合、職人もどう進めたらよいか判断できない場面が多くなり、監督が常にずっと現場に張り付いて指示をしないといけなかったりする。そうなると、書類作成などのデスクワークがどうしても現場作業終了後の時間になり、残業時間が膨れ上がっていく。
ということなのだが、O氏はゴールデンタイムを利用して効率よく段取りすることで、日中に事務所内でデスクワークをこなせる時間を確保できていたから、中間管理職にもかかわらずそれほど残業をせずに帰っていた。正にスマートゼネコンマンの働き方として、僕はとてもO氏から学ぶことが多かった。
ゼネコンマンから頭を切り離して、世界中の成功者に目を向けてみても、多くの成功者がこの考え方を実践していることに気づくはずだ。
誰もが聞いたことのあるような一流の経営者ともなれば、当然ゼネコンマンの何倍も忙しいはずだ。にもかかわらず、しっかり6~8時間の睡眠時間をとっている人が多い。というより、ちゃんと睡眠時間を確保しているからこそ、忙しいスケジュールを高いパフォーマンスでこなし続けていけるのだろう。
そして、深い思考が必要な仕事を頭の冴えている午前中に済ませていることが多い。これこそゴールデンタイムだ。もちろん、全ての成功者がこうではなくて、短い睡眠時間でも十分なパフォーマンスを発揮できるショートスリーパーもいる。ただ共通しているのは、自分にとって高いパフォーマンスを発揮できるスケジュール配分を理解し、継続しているところだ。
一般的には、よりクリエイティブな発想を必要とする業務に携わる人は、長い睡眠時間を必要とするそうで、ショートスリーパーで活躍できる人は相当気合の入った努力の鬼、みたいな人なのだろう。
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中根 義将
福井大学卒業。新卒入社した株式会社大林組にて、2011年に発生した東日本大震災の復旧工事を中心に、7年間にわたり現場監督として活躍。復興活動に携わる中で、地元・神戸市に恩返しをするのが使命と悟り、2015年に祖父の代から続く株式会社白川工芸社へ。2017年、同社代表取締役就任。大林組時代に培ったマネジメント力をもとに「人を活かした経営」、「建設業界の働き方改革」に取り組み、それまで三期連続赤字、債務超過であった同社を1年で黒字化。2年目には債務超過も解消し、V字回復を果たす。現在も「地域に愛される次世代の塗装店」を目指し、幅広い活動に取り組んでいる。 著書に『スマートゼネコンマン』(幻冬舎ルネッサンス新社)、『ペンキ屋の若旦那が教える仕事の流儀』(kindle)がある。
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