失業率は6.1%に上昇
米雇用者数は27万人増
■米労働省が5月7日に発表した21年4月の雇用統計では、失業率が6.1%と前月(6.0%)から0.1%ポイント上昇しました。非農業部門雇用者数は前月から27万人増にとどまりました。事前の市場予想では100万人程度の増加が見込まれていました。
■他の経済指標が良好だったこともあり今回の結果は予想外でした。前回の結果が良好だったことや、自動車業界で半導体不足による減産が行われたことなどが理由として挙げられています。
今後も雇用回復継続へ
■米国ではワクチン接種が進み、経済再開も順調です。バイデン政権による大型景気対策の効果もあらわれてきています。こうしたことから今後も雇用の回復は続くと見ています。
■リスクは変異株の拡大です。感染が再拡大すると、経済と雇用回復への妨げとなります。現時点では変異株に対してもワクチンは有効と見られます。
経済再開に伴い株高継続へ
■7日の米国株式市場で、NYダウは+0.7%上昇し過去最高値を更新しました。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和の早期縮小懸念が後退したことが株高要因となっています。リッチモンド連銀のバーキン総裁は、4月の雇用統計は期待外れだったとし、量的金融緩和を縮小するのに必要な「一段と顕著な進展」に雇用面では近づいていないと述べました。
■今後もワクチン接種による感染の落ち着きや、経済再開の動きが続くことによって景気や企業業績が回復するに従い、株式市場も上昇基調を維持すると見ています。リスクとしては、経済再開の本格化によって早期の金融緩和縮小が再び意識されることや、変異株の拡大によって経済再開の動きが鈍化したり途絶えることなどが挙げられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米雇用統計、27万人増にとどまるも米株式市場は最高値更新』を参照)。
(2021年5月10日)
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