④強度の精神病で回復の見込みがない
相手方に精神障害があり、それが回復される見込みがない場合。ただ、実際にはこれが認められるのはごくわずか(病気の配偶者を見捨てるようなことに、裁判所は否定的な傾向にあるので、離婚したとしてその精神病のある配偶者に、その後の生活のしっかりとした保障があるなどの事情がないと難しい傾向にあり)。
⑤婚姻を継続し難い重大な事由
単に夫婦仲が破綻しているのみならず、回復の見込みがない。いわゆる「性格の不一致」「モラハラ」の類だけでは「婚姻を継続しがたい重大な事由」とまでいえず、一般的には一定期間の別居と相まって認められる場合が多いのです。
そのほかにも、勤労意欲の欠如、親族との不和、暴行・虐待、性行不能・性行拒否、性的異常、アルコール中毒・薬物中毒、難病、過度な宗教活動、犯罪行為・服役……などがありますが、いずれもそれのみで即離婚事由とはならず、総合判断となることが多いので、注意が必要です。
また、これらはほんの一例です。離婚原因を争う過程で、最終的に相手方が離婚に応じる場合も多いですが、そうでない場合には、最後まで根気よく争うことも必要になります。
離婚申し立ての動機で最も多いのが「性格の不一致」
なお、現実には男女間でも離婚に至る理由に大きな違いがあるようです。平成29年の裁判所の司法統計による離婚申し立ての動機別ランキングは以下の通りです。
【男性】
1位性格の不一致
2位その他
3位異性関係
4位精神的虐待
5位暴力
【女性】
1位性格の不一致
2位暴力
3位生活費を渡さない
4位精神的虐待
5位異性関係
水谷 江利
世田谷用賀法律事務所 弁護士
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