機能的で広いテントに高級な家具が入り、一流の食事やサービスを受けられる「ハイエンド」なサファリ。野生動物を数多く見られるスリランカでも、この高級志向に加えて、環境にも優しい「エシカル」なサファリが誕生しています。今回はサファリのトレンドでリードするアフリカ諸国を追うスリランカの姿をお伝えします。

世界のトレンドをリードするアフリカ諸国

アフリカ大陸のサファリ運営会社は、スリランカより多くの外貨を稼ぎつつ、密猟を減らし、森林面積の増加と産業の発展を支援するハイエンド(高級志向)・ローインパクト(低環境負荷)なサービスを行っている。特に南アフリカのサビサンド私営動物保護区やカラハリ動物保護区、あるいはケニアのマサイマラ国立保護区は、世界で最も豪華で高額な野生生物との体験が行える場所であり、サビサンド私営動物保護区内のロンドロジにおけるパッケージは1人1泊1,600ドル以上する。

 

大型動物のハンティングが現在も合法であるタンザニアでは、Lukula Selousキャンプを訪れる8人のゲストのためだけに、およそ300,000エーカー分の最良の狩り場を確保するお金を政府に納めているものの、ゲストたちは狩りを行わず、その地域の野生動物の保護に貢献をしている。またケニアでは、地元の農家から牛の放牧地を借り、農家に別収入を与えつつ、野生動物のために草地を解放している。

 

スリランカのサファリのスケールはアフリカとは比べ物にならないが、世界的なサファリ業界には、スリランカでも適用できる豊富な知識や経験が蓄積されているの。それにも関わらず、スリランカはそれをまだ手に出来ていない。これがスリランカでハイエンド・ローインパクトなサファリを始めたレオパード・トレイル社が埋めようとしている世界とのギャップである。

オリジナリティにこだわったサービスを提供

レオパード・トレイル社は、2012年6月までに、ヤーラ国立公園内におけるテント式サファリの営業許可を野生生物環境保全省に登録した。レオパード・トレイル社以外にも、営業許可を得て何年もサファリを行っている企業があるが、同社は他社とは全く異なるサービスを考えていた。

 

まず、サファリ業界のグローバル・スタンダードをスリランカに適合させることに取り掛かった。全てのテントを、ヤーラ国立公園特有の気候や、南アフリカとインドの文化を考慮に入れながら設計し直した。多くの家具も社内で設計し、地元で生産したものである。

 

テントには、豪華なベッド、柔らかいカーペット、快適なバスルームや空調が備わっている。食事は様々な地元の料理を取り込んで、鮮度にこだわって調理されたものであり、湖のほとりやロマンチックな岩層の側らなどの屋外で提供する。気候とメニューに合わせて最適なワインを食事と共に提供し、アールグレイのシフォンケーキを誕生日に望めば、その通り手配をする。このようにレオパード・トレイル社は顧客に合わせてオーダー・メイドされたサービスの提供を売りにしている。

 

次回はレオパード・トレイル社が、地域でビジネスをする上で直面した課題についてお伝えします。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2016年4月に掲載した記事「BIG MONEY FOR BIG GAME – BUT NO DAMAGE」を、翻訳・編集したものです。

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