「親の財産管理は兄弟に一任している」「兄弟が親と同居しているので、介護には参加していない」…このような状況、実は大変キケンです。相続発生時に遺産を受け取れなくなってしまうかもしれません。実際に寄せられた相談をもとに、一般社団法人相続終活専門協会理事・貞方大輔氏が解説します。

家族の絆が崩壊する。きっかけは…

「ちょっと、これ、すごい金額…」と、次男の嫁が小声で呟きます。銀行ATMの画面に映った義母の預金額は、なんと8,000万円。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

ここから、長谷川さんと次男(プラス嫁)の長い長い争族が始まったのです…。

 

<登場人物>
母(85歳)

長男:長谷川さん(58歳)

次男:二郎さん(53歳)

二郎さんの嫁:まさ子さん(58歳)
※いずれも仮名

 

<執筆者登壇> 4/21(水)無料WEBセミナー

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長谷川さんの父は10年以上前に他界しています。

 

母は少し前までは元気でしたが、老人ホームに入ってからは急速に認知症の症状が進行していきました。

 

それには理由がありました。

 

長男の長谷川さんは大手企業のサラリーマン。結婚はしておらず、当時は支社長まで昇進し、全国転勤でバリバリ働いていました。一方の次男は転勤のない都内の地元企業に就職し結婚。次男の嫁は専業主婦。長谷川さんの母も都内在住だったため、家も近い次男夫婦を何かと頼りにしていました。

 

父が亡くなってから次男の嫁はそれなりに義母に呼ばれることも多く、話し相手になる時間も増えていきました。とはいえ、次男の嫁にも子供がいるのでそれなりに忙しい身。ずっと義母に付き合ってはいられません。そんなある日、義母が次男の嫁に頼みごとをします。

 

「まさ子さん(次男の嫁)、私の代わりに銀行に行って現金を引き出してくれない? 今日、この前買ったものの支払いがあるんだけど、私、ちょっと腰が痛くてね…。銀行まで行けそうにないのよ」と義母がいうのです。

 

まさ子さんはバスで10分くらいかかる最寄りの銀行まで行くのが面倒です。思わず、「めんどくさいなぁ。コンビニのATMじゃダメなの?」と呟いたものの、「手数料かかるかもしれないし、もったいない」というので、キャッシュカードを義母から借りて銀行に行ったのでした。まさ子さんは、「コンビニのATM手数料より、バス代のほうが高いのよっ!」と心の中で激しくツッコミを入れながら渋々、駅前の銀行のATMに行きました。

 

ATMの前でまさ子さんは目を疑います。せいぜいあって数百万円程度と思った預金残高がなんと冒頭の「8,000万円」もあったのです…。

 

<執筆者登壇> 4/21(水)無料WEBセミナー

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