国の施策方向は病院医療から在宅医療へと変わりつつあります。住み慣れた家で過ごし人生の終焉を迎えることは、誰もが望むことでしょう。しかし、核家族化が進行した地域では、本人や家族が在宅死を望んでも、なかなか叶えられないのです。今回は、地方の在宅看護の現状について見ていきましょう。

都会は「医療機関との連携」も可能、しかし地域では…

都会なら患者さんのお宅に近い医療機関と連携し支えることも可能です。でも医療過疎の地域ではそのような連携もできません。在宅と施設利用をうまく組み合わせたサービス利用、夜間の訪問は複数で行う、1人が専従でずっと担当するのではなくセンターのスタッフ全員が交代で担当し、それぞれが週に1回くらいの訪問で済むようにする。

 

対応マニュアルを作成し夜間にトラブルが生じた場合そのマニュアルに従ってご家族に対応して頂き、深夜の訪問を少なくする、などの工夫が必要です。でもこうした対応では当然費用もかさむことになり訪問看護センターの運営にも影響が出てきます。

 

いずれにせよ都会と過疎地域では医療事情、生活事情も異なります。医療施策は画一的ではなく、地域に応じたきめ細かな配慮が必要でしょう。

 

 

※本記事は連載『新・健康夜咄』を再構成したものです。

 

 

 

髙山 哲夫

国民健康保険坂下病院名誉院長

 

 

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新・健康夜咄

新・健康夜咄

髙山 哲夫

幻冬舎メディアコンサルティング

最新医療機器より大切なものは、患者さんを想う心――。著者のところには、がん、糖尿病、嚥下困難、胃ろう、認知症、独居うつ、褥瘡など、様々な病気をもつ高齢の患者さんがやってくる。地域の高齢な患者さんの声に真摯に耳を…

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