2021年度の医学部入試は、「大学入試センター試験から大学入試共通テストへの変更」「新型コロナウイルス感染症対策による日程の変更」など変動要因が少なくありません。本連載では、これまでに4500人以上もの受験生を医学部合格へと導いた予備校講師・可児良友氏の著書『2022年度用 「医学部受験」を決めたらまず読む本 ―志望校決定から学習計画の立て方まで』(時事通信社)の中から一部を抜粋し、医学部合格に至る「効率のいい道筋」を紹介します。今回は受験校をどのように決めるか、見ていきます。

「得意・不得意」と大学ごとの「頻出分野」を比較する

また、同じ大学でも科目ごとに難易度や分量にバラツキがあります。[図表4]に一部の私立大医学部について科目ごとの難易度と問題量を比較した表を挙げましたが、2020年度の川崎医科大学では英語に比べ数学が難しくなっています。このため英語に比べ数学のほうが得意な受験生がやや有利になります。

 

[図表4]私立大学医学部 科目ごとの難易度と問題量の例

 

これに対して、2020年度の昭和大学、東邦大学、金沢医科大学などでは英語に比べ数学の難度が低くなっています。金沢医科大学の数学は問題が易しく、分量も多くないので、数学が苦手な人でも不利になりにくいのですが、図形を絡めた出題が多いため、自分の学力特性を知ったうえで、得意分野を生かせて、合格の可能性が高くなる大学を選ぶと良いでしょう。

 

さらに、自分の分野ごとの得意・不得意と大学ごとの頻出分野を比較することで、より相性の良い出題の大学を考えることもできます。[図表5]に一部の大学について出題傾向と出題分野を比較した表も載せました。日本医科大学は数学Bと数学Ⅲが中心でやや難度が高い出題なのに対して、東海大学はベクトル以外のいろいろな分野から標準レベルの問題が出題されていることがわかります。得意な分野が頻出し、苦手な分野があまり出題されない大学を選ぶことができれば、より合格の可能性が高まります。

 

[図表5]2020・2019・2018年度 出題傾向と出題分野 【数学】

 

2023年度用 「医学部受験」を決めたらまず読む本

2023年度用 「医学部受験」を決めたらまず読む本

可児 良友

時事通信社

大学入試共通テスト実施2年目に当たる2022年度の医学部入試は、引き続き新型コロナウイルス感染症対策なども注意が必要です。 本書では、15年間で6,944人を合格させた、医系専門予備校合格実績No.1の「メディカルラボ」のカ…

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