「得意・不得意」と大学ごとの「頻出分野」を比較する
また、同じ大学でも科目ごとに難易度や分量にバラツキがあります。[図表4]に一部の私立大医学部について科目ごとの難易度と問題量を比較した表を挙げましたが、2020年度の川崎医科大学では英語に比べ数学が難しくなっています。このため英語に比べ数学のほうが得意な受験生がやや有利になります。
これに対して、2020年度の昭和大学、東邦大学、金沢医科大学などでは英語に比べ数学の難度が低くなっています。金沢医科大学の数学は問題が易しく、分量も多くないので、数学が苦手な人でも不利になりにくいのですが、図形を絡めた出題が多いため、自分の学力特性を知ったうえで、得意分野を生かせて、合格の可能性が高くなる大学を選ぶと良いでしょう。
さらに、自分の分野ごとの得意・不得意と大学ごとの頻出分野を比較することで、より相性の良い出題の大学を考えることもできます。[図表5]に一部の大学について出題傾向と出題分野を比較した表も載せました。日本医科大学は数学Bと数学Ⅲが中心でやや難度が高い出題なのに対して、東海大学はベクトル以外のいろいろな分野から標準レベルの問題が出題されていることがわかります。得意な分野が頻出し、苦手な分野があまり出題されない大学を選ぶことができれば、より合格の可能性が高まります。