社会人スタート…しかし初任給から格差は生まれている
新型コロナの感染拡大で、2020年は異例尽くしの年でした。色々と戸惑った人も多いでしょう。なかでも今春、学校を卒業し就職した新卒者は、入社式が取りやめになったり、入社して早々に出社自粛でリモートワークとなったりと、不安な社会人生活のスタートとなったのではないでしょうか。
それでも初めて手にした初任給に、社会人になったという喜びは感じられたはず。
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)」によると、新卒の初任給は大学院修士卒で23万8900円、大学卒で21万200円、高専・短大卒で18万3900円、高卒で16万7400円となりました。対前年比では、大卒で1.7%増となり、男女で比較すると、男性大卒で21万2800円、女性大卒で20万6900円となっています。
大卒初任給に限ってみていきましょう。
初任給の分布をみていくと、最も多いのが20万円台で29.4%、続いて21万円台で24.1%、22万円台が11.1%となっています。また初任給から30万円超えが1.9%、10万~15万円未満が0.1%います
企業規模別にみていくと、大企業で21万3100円、中小企業で20万8600円、小企業で20万3900円。月換算で4500~9200円、年換算で5万4000~11万400円の差が、企業規模によって生じることになります。
主な産業別にみていくと、最も大卒初任給が高いのが獣医業や測量業などの「学術研究、専門・技術サービス業」で22万7200円。続いて「鉱業、採石業、砂利採取業」で21万9800円、「情報通信業」21万8100円、「建設業」21万6700円、「不動産業、物品賃貸業」21万3900円と続きます。一方で業種別にみた際、最も大卒初任給が低いのが「複合サービス業」*で18万4900円。業種間で最大月4万2300円、年50万7600円の差が生じていることになります(図表1)。
*信用事業、保険事業、または共済事業と併せて複数の大分類にわたる各種のサービスを提供する事業所。法的に事業の種類や範囲が決められている郵便局や農業協同組合等が分類される
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