拡大する進学率格差…その要因は?
同じ東京23区とはいえ、私立中学校進学率で23位の「江戸川区」10.69%と1位の「文京区」43.62%では4倍近くの差が生じています。また昨年と比べると、1位と23位の差は2.83ポイント拡大。23区内で格差が拡大しています。
進学率の差。私立学校に通うとなると交通が不便であったり、受験に望むにあたり進学塾が生活圏内になかったりと、環境の違いは大きいでしょう。もうひとつ、進学率でよく議論されているのが親の年収。私立中学校の学費平均は414万円*と高額。経済的要因は無視できません。
*文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」参照
東京23区別の世帯年収の平均と私立中学校の進学率の相関係数は「0.79」。強い相関関係にあるといっていい水準。親の年収が上がらない限り、地域差の解消は難しいといえます(図表3)。
ただ教育水準が「私立>公立」という時代は昔の話、という声も聞かれます。公立でも先進的な取組みを導入している学校もみられますし、近年、高校においては、都立高校の進学実績で復調の兆しがみられることから、「あえて中学受験をしない」という選択も増えているといいます。親としては「できるだけお金のかからず、いい学校にいってほしい」が本音といったところでしょう。