日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、都道府県別に、みなさんが抱えている「負債額=ローン残高」をみていきましょう。

住宅以外の負債が多い県は、何にお金を使っている?

つづいて、「住宅・土地以外の負債」はどうでしょうか。全国平均は36万円。マイホーム以外ではあまり借金を抱えない、という日本人がみえてきます。そのなかで、最も「住宅・土地以外の負債」が多いのが「佐賀県」で159万円。全国平均の4倍近くの借金を抱えています。続くのが「滋賀県」で97万円、「岡山県」96万円、「富山県」90万円、「熊本県」74万円と続きます。

 

一方で最も少ないのが「徳島県」で6万円。「兵庫県」8万円、「奈良県」「大阪府」「福井県」「秋田県」が10万円と続きます(図表4)

 

出所:総務省「家計調査年報」(2019年(令和元年))」より作成
[図表4]都道府県別「住宅・土地以外の負債額」トップ10 出所:総務省「家計調査年報」(2019年(令和元年))」より作成

 

このようなラインラップのなか「なぜ佐賀県が……」と感じるでしょう。ひとつだけ理由を見出すことは難しいですが、ひとつ注目したいのが「交際費の支出」。最も多いのは「埼玉県」で28,087円ですが、そのなかで「佐賀県」は47都道府県中4位で24,064。人との交流にお金をかける県民性がみえてきます。このようなことも、住宅ローン以外の負債額に関係しているかもしれません。

 

また西日本よりも東日本のほうが負債額が多い自治体が目立ちます。西日本のほうが家族の構成人数が多い、つまり代々の家・土地を継ぐ傾向が高く、ローンを組む世帯が少ない、ということが関係していると考えられます。

 

一方で「給料が少ないとローンを組まざるを得なくなり、負債が増えるのでは」と考える人がいるでしょう。そこで「給与所得1,000万円以上」の人数とその相関関係をみてみましょう。負債額との相関係数は「0.37」。強いものではありませんが、相関関係が多少認められる水準。どちらかというと、「お金がある→返済能力がある→ローンを組む」という傾向にあるといえるのではないでしょうか。

 

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