「配偶者居住権」は亡くなった方が所有していた家屋に配偶者が居住していた場合、遺言や遺産分割などで所有権と居住権を分離することで生じる住むための権利です。権利は建物に設定します。今回は、相続税申告を数百件経験した相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の北川 聡司税理士が「配偶者居住権」について語ります。

「配偶者居住権」の設定…家族円満が第一条件

「配偶者居住権」を設定することにより、結果として節税効果が生じるケースがありますが、どのような方でも利用できるものではありません。

 

遺産分割協議の中で「配偶者居住権」を設定する場合には相続人全員の合意が必要となりますので、それができるような円満な家庭であるというのが第一の条件になりそうです。

 

また、一次相続と二次相続のいずれも相続税の負担が生じそうであることが第二の条件です。「配偶者居住権」のうま味は二次相続時に権利が消滅することですので、そもそも二次相続税の負担がない(又は少ない)のであれば、わざわざ活用する意味がありません。

 

従来からの一次・二次シミュレーションに加え、新たに配偶者居住権の設定の有無、そして小規模宅地等の特例をどこで適用するか(「配偶者居住権」が設定された場合の敷地利用権や敷地所有権に対しても、従来からの小規模宅地等の特例の要件を満たす場合は適用可能です!)まで考慮して遺産分割を行うのは複雑怪奇ではありますが、上記要件を満たす方は活用するかの検討が必要になりそうです。

 

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