ベッドの下の金庫にはなんと…
そのなかにはダイヤモンドの指輪や現金などの財産が入っており、申告漏れを指摘されてしまいました。あるいは、寝室から金塊が5本も出てきたケースもあります。
【亡くなる1週間前に6000万円が消えた!?】
このようなケースもありました。ある企業のオーナーが亡くなった際、相続税の申告をして3年間、税務調査が入りませんでした。税務調査は被相続人が死亡後、おおむね2〜3年以内に始まることが多いようです。よって被相続人の親族は3年が経過して調査が入らずに安心したのでしょう。
実はそのオーナーが亡くなる1週間前、被相続人の銀行口座から6000万円の預金を妻が引き出し、タンスに隠していたのです。相続税の申告から3年後、そのタンス預金を銀行に定期預金として預けたところ、数日後に早くも税務署に知られ、申告漏れを指摘されてしまいました。
【申告直前に3億円の名義預金を打ち明けた!?】
妻が隠し資産を最後まで黙っていたケースもあります。その方は医師の奥さんというだけあり、相続財産は約8億円もありました。
「これで全部ですね? 名義預金や隠し資産があれば言ってください」
そう念を押して確認し、それ以外の財産はないとの返答をもらっていました。ところが、相続税の申告書を税務署に提出する日、その奥さんから連絡があり、「実は3億円の名義預金があります」と打ち明けられたのです。あれほど念を押していたにもかかわらず、黙っていたのです。いざ申告する段階になり、重加算税を課されるのが怖くなって、ついに口を開いたのでしょう。
申告前に教えてもらえたのはいいですが、相続税の計算から申告書の作成までやり直さなければなりません。こうしたことのないよう、事前に必ずすべての財産を報告してもらいたいと思います。
■申告漏れには「延滞税」や「重加算税」が…
相続財産の申告漏れを指摘された場合、多額の付帯税が加算されるので注意が必要です。
たとえば夫が死亡し、妻と子ども2人の計3人が相続人になったケースです。その際、相続財産の一部である3000万円を申告せずに妻が受け取り、銀行に定期預金として隠していました。ところが相続税の申告期限の3年後、その3000万円が名義預金として認定されてしまいました。
この場合、付帯税は具体的にどうなるでしょうか。