救急搬送される人は、年間389万人
9月9日、「救急の日」。「9(きゅう)9(きゅう)」の語呂合わせだということは、誰もがすぐに気づくでしょう。制定されたのは1982年。救急医療関係者の意識を高めるとともに、救急医療や救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深めることを目的に定められました。
消防庁の「救急・救助の現況(令和元年版)」をみていくと、年齢による疾病の傾向や傷病程度の違いがみえてきます。
救急車による急病の搬送数(2018年)は389万1,040人。その内訳を疾病別にみていくと、「呼吸器系」が最も多く36.7万人、「消化器系」34.9万人、「心疾患等」33.0万人、「脳疾患」27.8万人と続きます。
年齢区分別にみていくと、18~64歳では「消化器系」が13.4万人、「精神系」9.6万人、「心疾患等」6.6万人と続き、65歳以上では「呼吸器系」27.6万人、「心疾患等」26.2万人、「脳疾患等」21.3万人と続きます。
急病で搬送された人の傷病程度をみていくと、18~64歳の121万人のうち、6割強の76万人が「軽傷」、4%強の5.5万人が「重症」、0.6%の0.7万人が「死亡」しました。一方、65歳以上をみていくと、搬送353万人のうち、38%の136.3万人が「軽傷」、10%の37.1万人が「重症」、1.8%の6.5万人が「死亡」しました。
また搬送車の事故発生場所をみていくと、「住宅」が最も多く56%、続いて「公衆出入場所」が26%、「仕事場」2%となっていますが、なかでも「道路」が12%で72万人となっていて、日ごろ、いかに交通事故が多いかを物語っています。
さらに住宅のなかでもどこで多いのかをみていくと、「居室」が最も多く46%、「廊下・玄関等」が5%、「庭・テラス」「便所」「浴室」と続きます。