高齢になるにつれて発症のリスクが高まる脳梗塞。本連載では、書籍『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、国民病ともされる脳梗塞の種類や予防法、治療法を、医師である梶川博氏・森惟明氏が徹底解説します。
「めまい」って、何かの病気のサインなの?
めまいは、患者さんのお話をよく聞くと「グルグル目が回る」、「ふわふわとふらつく(動揺歩行)」、「気が遠のくようになる」、「立ちくらみ」、「平衡感覚喪失」など、その症状は様々で、めまいの原因も様々です。まずは耳鼻科医、神経内科医を受診しましょう。
大きくは耳の病気、脳の病気、その他の病気に分けられます。耳の病気として良性発作性頭位めまい症(benignparoxysmal positional vertigo:BPPV)、メニエール病、前庭神経炎、突発性難聴などがあります。
BPPVは頭を動かすと回転性(ぐるぐる回る)めまいが起こり、数秒から数十秒で消失し
ます。メニエール病に罹患すると、激しい回転性めまいと吐き気があらわれ、時に難聴や耳鳴りを伴います。頻度は様々ですが、症状が繰り返し発現することがあります。
前庭神経炎も激しい回転性めまいと吐き気が起こります。難聴は伴いませんが、数日歩行が困難な状態が続きます。突発性難聴は突然耳が聞こえにくくなります。治療が遅れると難聴が後遺症として残ってしまいます。
脳の病気には脳出血、脳梗塞や脳腫瘍などがあります。小脳や脳幹部という場所の出血や梗塞の時には突然めまいが起こります。ろれつ困難、意識障害、複視、眼振なども伴うことが多く、頭痛も伴うことがあります。急激に悪化し、命を落とすこともあります。脳腫瘍では症状が突然起こることは少なくふらつきが徐々に悪くなり、腫瘍の部位や大きさによっては難聴や耳鳴り、頭痛などを伴います。
その他の病気としては起立性低血圧、不整脈、ストレス、薬剤性(抗生物質、抗ヒスタミン薬、アスピリンなど)、てんかん、血管迷走神経反射、貧血、低血糖などがあります。めまいは様々な病気で起こる症状で、その大半は良性のものですが、脳卒中のように命を落としたり後遺症を残したりするような重篤な病気が隠れていることがあります。特にめまい以外の症状を伴うときは病院を受診してください。
医師は、救急外来のめまいは以下のABC-DEMONを念頭にと教育されています。
※本記事は連載『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法』を再構成したものです。
梶川 博
医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長
森 惟明
医学博士
医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長
日本脳神経外科学会認定専門医
日本脳卒中学会認定専門医
日本神経学会・日本認知症学会会員
広島県難病指定医、
広島県「もの忘れ・認知症相談医(オレンジドクター)
日本医師会&広島県医師会
日本医療法人協会&全日本病院協会広島県支部所属。
広島県広島市出身 1957年修道高等学校卒業、1963年京都大学医学部卒。
1964 聖路加国際病院でインタ−ン修了、医師国家試験合格、アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格、1968年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。
1970年広島大学第二外科・脳神経外科(助手)、1975年大阪医科大学第一外科・脳神経外科(講師、助教授)。
1976年ニューヨーク モンテフィオーレ病院神経病理学部門(平野朝雄教授)留学。1980年梶川脳神経外科病院(現医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター)開設。医学博士。1985年槇殿賞(広島医学会会頭表彰)、1996年日本医師会最高優功賞。
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連載脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法
医学博士
大阪府立北野高校を経て、1961年京都大学医学部卒。大阪北野病院でインタ−ン修了。
1961年アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格。
1967年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。1968年日本脳神経外科学会認定医。1969年京都大学脳神経外科助手。
1971年シカゴノースウエスタン大学脳神経外科レジデント。1975年京都大学脳神経外科講師。1979年京都大学脳神経外科助教授。1981年高知医科大学(現高知大学医学部)脳神経外科初代教授。
1992〜1999年厚生省特定疾患難治性水頭症調査研究班班長。1992年第2回高知出版学術賞受賞。
1996〜2000年高知県医師会理事。1999〜2001年国際小児神経外科学会倫理委員会委員長。
2000〜2001国際小児神経外科機関誌「Child's Nervous System」編集委員。2000年高知大学名誉教授。著書多数。
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