「寝てない自慢=できない人認定」が常識となる社会へ
前にも述べましたが、睡眠に対して、日本人は基本的に「これは削れる時間だ」と考えてしまいやすいようです。「昨日も徹夜だよ」「忙しくて全然寝てなくて……」
こんな子どもの競い合いみたいな〝寝てない自慢〟をすると、「睡眠に対する意識の低い人=できない人」と思われて、恥ずかしくなるような社会になってほしいと思います。そういった時間意識、睡眠意識を変えて、大事なときこそしっかり睡眠をとらなくてはいけないということを常識化していってほしいのです。
私は、高反発型マットレスで知られるエアウィーヴ社との共同研究も行なっている関係で、アスリートと接する機会も多いのですが、世界でもトップレベルのアスリートたちは、睡眠が自分のパフォーマンスにいかに大切かということを、よく把握しています。結果次第で人生が大きく変わることを強く実感しているからです。
結果が出せる人ほど、睡眠をないがしろにしません。そういう点では、ビジネスパーソンも同じではないでしょうか。いついつまでに必ず仕上げなければならない大事な仕事、不測の事態が発生してトラブル解決に奔走しなくてはいけない事態、責任感を強く感じる人ほど「寝ているどころではない」という心理が強く働き、寝ずの態勢に入りがちです。しかし、それはいちばんやってはいけないパターン。
むしろそういうときこそきちんと睡眠をとり、判断力を鈍らせないようにする必要がある。寝ないのは、逆効果なのです。そういう認識が、日本の社会全体にもっと醸成されることを望みます。
西野 精治
スタンフォード大学 医学部精神科教授・医学博士・医師
スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)所長
日本睡眠学会専門医、米国睡眠学会誌、「SLEEP」編集委員
日本睡眠学会誌、「Biological Rhythm and Sleep」編集委員
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】