高齢になるにつれて発症のリスクが高まる脳梗塞。本連載では、書籍『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、国民病ともされる脳梗塞の種類や予防法、治療法を、医師である梶川博氏・森惟明氏が徹底解説します。
頭痛は、大きく一次性頭痛(機能性頭痛、“心配ない頭痛” )、二次性頭痛(“症候性頭痛”、“心配な頭痛”)に分かれます。
・一次性頭痛
一次性頭痛として一番多くてよく知られているのが片頭痛です。片頭痛は頭痛の約半数を占め、「片頭痛を診てほしい」と言われて外来受診される方の中にも多く含まれています。原因不明であることが多いのですが、精神的要因や、姿勢の問題、頸椎症、眼精疲労なども原因となります。トリプタン製剤など劇的に改善する薬剤もあり、専門医を受診し自分に合う治療方針や薬を見つけることです。
緊張型頭痛は、筋緊張型頭痛の別称があるように、多くの場合、筋肉の緊張、具体的には肩凝り、頸の凝り、後頭部の凝りや痛み(大後頭神経痛、大後頭三叉神経痛)に起因します。片頭痛と同じく、精神的要因、慢性疲労、頸椎症などが原因となります。治療は精神安定剤を含む薬剤を主体とする対症療法です。
・二次性頭痛
二次性頭痛は、致命的となることもあり特に注意が必要です。頭頸部血管障害によるもの(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、動脈解離、脳静脈血栓症、側頭動脈炎など)と、頭頸部外傷、脳腫瘍、髄膜炎・脳炎、脳脊髄液減少症などによるものとがあります。
頭痛では、嘔吐や強い痛みのため日常生活に支障を来すことも多いですが、適切な治療により症状を軽くしたり、発作回数を減らしたりすることも可能です。頭痛患者さんが毎週2~3日、慢性的に鎮痛薬を内服している場合は薬物乱用頭痛に陥りやすく、一旦陥ってしまうとなかなか負の連鎖から抜けられなくなるため、早めに脳神経内科や脳神経外科の診察を受けられることをお勧めします。
頭痛が急に起こった場合、あるいは頭痛以外に嘔吐や上下肢の脱力、言語障害、意識障害などを伴うような場合はすぐに病院を受診してください。特に、くも膜下出血では、しばしば「金槌で叩かれたような」「これまでに経験したことのない」激しい頭痛と形容されます。
※本記事は連載『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法』を再構成したものです。
梶川 博
医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長
森 惟明
医学博士
医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長
日本脳神経外科学会認定専門医
日本脳卒中学会認定専門医
日本神経学会・日本認知症学会会員
広島県難病指定医、
広島県「もの忘れ・認知症相談医(オレンジドクター)
日本医師会&広島県医師会
日本医療法人協会&全日本病院協会広島県支部所属。
広島県広島市出身 1957年修道高等学校卒業、1963年京都大学医学部卒。
1964 聖路加国際病院でインタ−ン修了、医師国家試験合格、アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格、1968年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。
1970年広島大学第二外科・脳神経外科(助手)、1975年大阪医科大学第一外科・脳神経外科(講師、助教授)。
1976年ニューヨーク モンテフィオーレ病院神経病理学部門(平野朝雄教授)留学。1980年梶川脳神経外科病院(現医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター)開設。医学博士。1985年槇殿賞(広島医学会会頭表彰)、1996年日本医師会最高優功賞。
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連載脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法
医学博士
大阪府立北野高校を経て、1961年京都大学医学部卒。大阪北野病院でインタ−ン修了。
1961年アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格。
1967年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。1968年日本脳神経外科学会認定医。1969年京都大学脳神経外科助手。
1971年シカゴノースウエスタン大学脳神経外科レジデント。1975年京都大学脳神経外科講師。1979年京都大学脳神経外科助教授。1981年高知医科大学(現高知大学医学部)脳神経外科初代教授。
1992〜1999年厚生省特定疾患難治性水頭症調査研究班班長。1992年第2回高知出版学術賞受賞。
1996〜2000年高知県医師会理事。1999〜2001年国際小児神経外科学会倫理委員会委員長。
2000〜2001国際小児神経外科機関誌「Child's Nervous System」編集委員。2000年高知大学名誉教授。著書多数。
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