指値注文の価格設定で「値幅制限」が参考になる理由
成行注文をした場合に想定外の高値づかみは避けたいものです。特に寄り付き前の板情報から、前日の終値よりもかなり高い価格で約定しそうだと判断した場合、指値注文に切り替えるというのは一つの手です。
しかしその場合、悩ましいのは「いくらで指値を入れるか」という価格の設定でしょう。
そこで、一つの目安となるのが値幅制限です。値幅制限とは株価に応じて1日で上下動できる値動きの幅を制限したものです。毎日、前日の終値をもとにして設定されています。
例えば前日の終値が100円のとき、値幅制限は上下50円になります。ストップ高は150円になりますから、ストップ高付近で寄り付くことを避けるために、今日の値幅制限の半値である125円付近(もしくはそれ以下)で買いの指値注文を入れるのです。
値幅制限の半値で指値を入れる方法であれば、想定外の高値づかみは避けられます。その一方、寄った価格が指値より1円でも高ければ、残念ながら不成立になります。指値がいいのか、成行がいいのかという判断については、その時々の相場状況によって異なるため、画一的に当てはめられるものではありません。
また、銘柄ごとの値動きのクセも影響してくるため、目当ての銘柄は日頃からチャートをよく見て、イメージをつかんでおくことが大切です。
過去のチャートで見極める「大相場」の前兆
過去に歴史的な大相場を演じた銘柄というのは、勝っていい思いをした投資家はもちろん、負けて悔しい思いをした投資家もよく覚えているものです。大相場から5年、10年と、株価が長らくもみ合っても、「いつかあのときの相場がもう一度やってくるのでは・・・」という期待を込めて相場をチェックしている人が多いのです。
そのため、過去の高値銘柄が一度動き出すと、過去の市場参加者はもちろん、新規の市場参加者も飛び乗ることで、かつての大相場を彷彿させる大きな上昇トレンドに突入することがあります。
下記のチャートは、タカキュー(8166)の過去10年以上のチャートです。さかのぼると、2002年11月27日の安値69円に対し、2006年1月6日の高値800円と、大化けの素地が十分にあることがうかがえます。
そのため、「値上がり率ランキング」の上位を見るだけでなく、慣れてきたらランキングの下位に入った銘柄やチャートブックで気になる銘柄も、過去の値動きをさかのぼって検証してみてください。
過去5年、10年とさかのぼってみると、相場の上昇期はどの程度出来高ができているのか、一度火が付くとどれくらい上昇トレンドが続くのかなどがつかめるようになってきます。これが感覚的につかめてくると、過去と似たような局面が訪れたときにピンときて、躊躇なくエントリーできるようになります。
日足で直近の値動きを細かく確認したら、週足や月足で大きなトレンドをつかむといった具合に、値動きを知りたい時期に合わせてローソク足の周期をずらしていけば、また違った発見が出てくるものです。過去の水準は横軸の価格で分かりますから、その水準から大きく離れたところは大相場だと判断することができます。
低位株の多くは、かなり狭い範囲内で株価の上下動を繰り返している時期が長いため、月足で見ると、株価はほとんど動いていない一直線の状態に見えます。
ところが、日足で細かく見ると、そういった相場も上昇している時期があります。こうして過去の値動きを振り返ることで、自分なりの感覚を養っていくことが大切です。