「要件厳しい」「受給遅い」悪評も…給付金の実情は?
売上高が前年同月比で47%も減少したが、あと3%のところで要件に満たず持続化給付金をもらうことができない! こんな悲鳴を友人から伺いました。要件があるとはいえ、まだ半数近くの中小企業、小規模事業者の方々が受給されていません。なかには申請していない方々も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。未受給の経営者の方には、ぜひとも確認して欲しい! そんな想いを持っています。
支給遅れや事務委託に関しての様々な悪評ばかりが世間を賑わせていますが、支援を必要としている企業にとってはやはりよい制度です。本記事では給付金の概要から対象者や申請方法を改めて解説し、最後にはちょっとした節税対策にも触れたいと思います。
経済産業省によれば、6月22日までに、約165万件の中小企業・個人事業者への給付が完了しており、支給総額は約2兆2,000億円となっています。中小企業庁が公表する2016年の中小企業、小規模事業者の総数が357.8万人であることを踏まえると約半数の方が受給している一方で、もう半数の方は未受給と言えます。
【給付金概要】
感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金を給付します。
持続化給付金の財源として2020年度第1次補正予算で2兆3,176億円を計上しました。その後、支給対象拡大などのため第2次補正予算では1兆9,400億円を積み増ししています。
申請要件は?満たせなくても給付対象となる「特例」も
【給付対象】
資本金10億円以上の大企業を除く、中小法人等を対象とし医療法人、農業法人、NPO法人など、会社以外の法人についても幅広く対象となります。
1. 2020年4月1日時点において、次のいずれかを満たすことが必要です。ただし、組合若しくはその連合会又は一般社団法人については、その直接又は間接の構成員たる事業者の3分の2以上が個人又は次のいずれかを満たす法人であることが必要です。
A) 資本金の額又は出資の総額注1が10億円未満であること。
B) 資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員注2の数が2,000人以下であること。
注1 「基本金」を有する法人については「基本金の額」と、一般財団法人については「当該法人に拠出されている財産の額」と読み替える。
注2 「常時使用する従業員」とは、労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」を指す。(パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、非正規社員及び出向者については、当該条文をもとに個別に判断。会社役員及び個人事業主は予め解雇の予告を必要とする者に該当しないため、「常時使用する従業員」には該当しない。)
2. 2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
※事業収入は、確定申告書(法人税法第二条第一項三十一号に規定する確定申告書を指す。以下同じ。)別表一における「売上金額」欄に記載されるものと同様の考え方によるものとします。
3. 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(以下「対象月」という。)が存在すること。
※対象月は、2020年1月から申請する月の前月までの間で、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月のうち、ひと月を任意で選択してください。
※対象月の事業収入については、新型コロナウイルス感染症対策として地方公共団体から休業要請に伴い支給される協力金などの現金給付を除いて算定することができます。
なお、上記要件を満たさない場合でも、創業特例(2019年1月から12月までの間に設立した法人に対する特例)や、季節性収入特例(月当たりの事業収入の変動が大きい法人に対する特例)等が認められるケースも考えられますので、ご不明点等はお気軽にお問い合わせください(代行については行政書士の独占業務となっておりますので、あくまでも相談にのるということです)。
【給付額】
給付金の給付額は、200万円を超えない範囲で対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入から、対象月の月間事業収入に12を乗じて得た金額を差し引いたものとします。
※月間事業収入が、前年同月比50%以下となる月で任意で選択した月を【対象月】と呼びます。対象月は、2020年1月から12月までの間で、事業者が選択した月とします。
(『「持続化給付金」の事務局ホームページ』より引用)