「相続税なんてお金持ちの話」と油断してはいませんか? 税制改正により大増税時代となった昨今、いわゆる“ふつう”の人も相続税がかかるようになりました。対策を怠っていると、いざ相続が発生したとき、最悪の場合は破産するかもしれません。損しないために、1日でも早く相続対策を始めましょう。※本記事は、税理士法人・社会保険労務士法人タックス・アイズ代表 五十嵐明彦氏の著書『親が元気なうちからはじめる後悔しない相続準備の本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部を抜粋し、親が元気なうちから取り組むべき相続対策を解説します。

トラブル回避のため、「財産」は親が元気なうちに確認

突然ですが、みなさんは親御さんがどんな財産をどれだけもっているか知っていますか? これを知らないまま親が亡くなり相続が発生した場合、みなさんは一から親の財産を探さなければなりません。したがって、親が元気なうちに財産の種類や金額を知っておくことは重要です。

 

●銀行の口座

●証券会社の口座

●所有している不動産(土地や建物など)

●借金の有無

●生命保険

●ゴルフ会員権(など)

 

たとえば銀行の口座などは、昔は金融機関に問い合わせれば、すぐに教えてもらえたものですが、今は時代が違います。口座一つ調べるにもみなさんが問い合わせをしたところで簡単には教えてくれませんし、書類を一つひとつそろえなければなりません。このように、財産を探すのは、みなさんにとって相当手間のかかる作業になるのです。しかし、

 

「俺の死んだあとの財産の話をするなんて、縁起が悪い!」

「俺を殺すなんて、不謹慎だ!」

 

このようなことをおっしゃる親御さんは少なくなく、相続の話や遺言書の話を子どもから切り出されると、親子関係がぎくしゃくすることも多いようです。

 

財産は、親子が一緒に暮らしていればある程度はわかりますし、普段から、多少は話をしているかもしれません。しかし、親子が離れて暮らしていると、親の財産を知る機会は少ないものです。

 

このような状態で親が亡くなると、みなさんは家の中のタンスや引き出しを一つひとつ開けて探し回ったり、取引のありそうな銀行に問い合わせをするなどして、財産を探さなければなりません。

 

財産がわからないと、兄弟同士でモメてしまうこともありえます。みなさんは、親の過去の収入や現在の生活環境から、財産がどのくらいあるか、ある程度の予測をしていませんか?

 

もしそれが、思っていたよりも少なかったり(たとえば、預貯金は5,000万円くらいあるだろうと思っていたら、実際には1,000万円だったなど)したらどうでしょう。

 

もっと財産があるはずだと感じて、「兄(弟)が財産を隠しているかもしれない」と思ったり、「兄(弟)が生前にもらって使ってしまったのではないか」と疑ったり、あるいは反対にほかの兄弟から疑われたりする可能性があるのではないでしょうか。

 

このような争いを避けるためにも、親御さんが元気なうちにぜひ、財産にはどのようなものがあるかを、直接聞くようにしてみてください。

 

 

五十嵐 明彦
税理士法人・社会保険労務士法人 タックス・アイズ 代表

親が元気なうちからはじめる 後悔しない相続準備の本

親が元気なうちからはじめる 後悔しない相続準備の本

五十嵐 明彦

ディスカヴァー・トゥエンティワン

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