「子どもに毎年111万円を贈与しています。」金持ち親の目論見

相続税を減らす王道の方法は、生前に財産を引き継ぐことです。額によっては「贈与税」がかかるため、自分の財産なのに結局税金を払うなんて…と抵抗を感じるかもしれませんが、贈与税を払ったほうが結果的により多くの財産を引き継げるケースが珍しくないのです。※本記事は、税理士法人・社会保険労務士法人タックス・アイズ代表 五十嵐 明彦氏の著書『親が元気なうちからはじめる後悔しない相続準備の本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部を抜粋し、親が元気なうちから取り組むべき相続対策を解説します。

相続税を減らす王道の方法は「生前贈与」だが…

相続税を減らすための王道は、親が生きているうちに財産をもらうことです。遺産として財産を引き継ぐと相続税がかかりますが、生きている間にもらってしまえば、相続税はかかりません。

 

しかし、その代わりといってはなんですが、相続税逃れができないように、生きている間に財産をもらうと、「贈与税」という税金を支払わなければならないことになっています。しかも、贈与税の税率は相続税よりも高く、相続税よりも税金の額が多くなるよう設定されています。

 

相続税は6億円を超えると税率が55%となります(本書『親が元気なうちからはじめる後悔しない相続準備の本』158ページ参照)が、贈与税は4,500万円を超えると税率が55%になっています。これは、相続税と比べてかなり厳しいものだといえるでしょう。

 

贈与税がかかってしまうのでは、財産をもらって税金を減らすことなんてできないのでは…と考えてしまいそうですが、実は贈与税のしくみを上手に使って財産を親から引き継ぎ、税金のムダを省く方法があります。

 

実は、贈与は生きている間であれば、いつでも何度でもしてもらうことができます。加えて、相続税は計算が1回限り(相続のタイミングのみ)であるのに対し、贈与税の計算は1月~12月までという期間を区切って毎年行われます。

 

このとき、贈与税には年間110万円まで基礎控除が認められています。つまり、年間、1人につき110万円までは、財産をもらっても税金がかからないというわけなのです。

 

贈与については親の意思で、自由にだれにでも行えますので、自分のみならず、自分の配偶者、子どもなどにも贈与してもらうことで、その合計額となるまとまった金額の財産を、無税で引き継ぐことができることになります。

 

たとえば、みなさんに子どもが2人いれば、みなさん+配偶者+子ども2人=4人いますから、1年間に4人×110万円=440万円を無税で贈与してもらうことができます。

 

これを10年、20年と続けていけば、税金を支払うことなく、大きな財産を親が生きている間に自分に移すことができ、その分の税金を節約できるというわけです(前回の記事『「うちにも相続税が!?」一般家庭に衝撃…悲劇を生んだ財産内訳』で述べた「相続対策は早くはじめた人ほどトクをする」というのはこういうことです)。

税理士法人タックス・アイズ 代表社員 公認会計士、税理士、社会保険労務士

明治大学商学部3年在学時に公認会計士試験に合格。大学在学中から監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)に勤務し、国内企業の監査に携わる。2001年には、明治大学特別招聘教授に。

現在は、税理士法人タックス・アイズの代表社員として相続税などの資産税業務や法人に対する税務業務を中心に幅広い仕事を行うほか、国内企業の監査業務に携わる。

著者紹介

連載知らないと損!親が元気なうちからはじめる「後悔しない」相続準備

親が元気なうちからはじめる 後悔しない相続準備の本

親が元気なうちからはじめる 後悔しない相続準備の本

五十嵐 明彦

ディスカヴァー・トゥエンティワン

2019年法改正完全対応! 「子が読む」相続の実用書。 これまで相続税に縁がなかったかもしれないみなさんにも、相続税対策が必要になる時代がやってきました。 自分が相続する財産にどれほどの税金がかかるかご存知でし…

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