相続税の税務調査の実地調査件数は年間1万2,000件以上。申告漏れのなかでは「現金や預貯金」が最も多く、全体の3割を占めるといわれています。なぜ税務署は、未申告の現金や預貯金を見つけることができるのでしょうか。相続税申告200件以上を経験した相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の竹下祐史税理士が、実例をもとに、税務調査の実態と調査を見越した相続税対策について解説していきます。

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申告漏れの指摘は「現金預金」が最も多い

筆者が相続税申告の業務を行っている際に、相談者から「税務署はどうやって被相続人(亡くなられた方)の預金口座の情報を把握しているのでしょうか?」と質問を受けることがあります。税務署は、全国に数ある金融機関のなかで、どのように網羅的に被相続人の預金口座の所在を調べるのでしょうか。税務署の調査手法の一端が垣間見える事例があったので、紹介していきます。

 

 

平成29年度(直近のデータ)の相続税に関する税務調査の実地調査件数は12,576件と公表されています。年間の相続税申告件数が10万件超であるため、申告された方の約12%の方に税務調査が行われていることになります。調査の結果、申告漏れとされた財産のうち、約34.1%が現金や預貯金というデータが出ています。これは不動産(13.6%)や有価証券(15.2%)を超えて、財産の種類ごとの構成比のなかで最も大きい割合となっています。

 

「現金や預貯金」の申告漏れのなかには、いわゆる名義預金や手許現金、被相続人名義の預金口座の計上漏れが含まれると考えられます。

 

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