2020年4月の水関連株式市場

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社マーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

4月の投資環境

4月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。世界の株式市場は月初、下落しましたが、その後は欧米の一部地域で新型コロナウイルスの感染拡大ペースに減速が見られたことや、米連邦準備制度理事会(FRB)による2兆3,000億ドル規模の支援策、トランプ米大統領が経済活動の再開に向けた指針を示したことなどを背景に上昇基調となりました。下旬には原油価格の急落を受けて株式市場は反落する場面もありましたが、米国政府による追加経済対策や、経済活動再開への期待などから株式市場は月末にかけて上昇し、月間でも大きく上昇しました。

 

業種別では、全てのセクターが上昇しました。エネルギー、一般消費財・サービス、素材などが大きく上昇した一方、公益事業、金融、生活必需品などは相対的に小幅な上昇にとどまりました。

 

こうした中、水関連企業(現地通貨ベース)の株価も上昇しました。装置製造・エンジニアリングセクターは、景気回復への期待と割安感から注目され、上昇しました。また、上下水道ビジネスセクターは3月の下落幅が相対的に小さかったこともあり、反発局面において上げ幅が限定的に留まりました。

 

装置製造・エンジニアリングセクターでは、ダナハーに関して、GEのバイオファーマ事業の買収により、業績見通しが改善したことや継続的な収入が売上げの7割を占めるなど収益の安定性が好感され、株価が上昇しました。エコラボは主力事業の成長と利益率の改善で好調な四半期業績を発表し株価が上昇しました。健全な財務体質に加え、新技術への投資を継続し消費者の新しい衛生志向に対応していくことが長期的な成長を支えると考えられています。また、サーモフィッシャーサイエンティフィックも良好な決算を反映して株価が上昇しました。一方、トロはコロナウイルスの感染拡大の影響により生産を縮小しており、2020年の業績見通しを撤回したことで株価は軟調でした。

 

下水道ビジネスセクターでは、カリフォルニア・ウォーター・サービス・グループに関しては、米国カリフォルニア州における水道料金規制の決定が先送りになり業績見通しに不透明感が高まったことから軟調な展開となりました。ただし、水道インフラの更新による長期的な成長性には影響がないと見ています。また、ヴェオリア・エンバイロメントもフランスにおける産業及び商業向けの廃棄物処理需要の減少に加えて、観光需要減少に伴う水需要低下懸念を背景に株価は相対的に軟調な動きとなりました。

今後の見通し

足元では、地政学的リスクや米国の金融政策に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大などマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

円換算ベース、月次、期間:2010年4月末~2020年4月末  ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)  出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2010年4月末~2020年4月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

月次、期間:2010年4月末~2020年4月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2010年4月末~2020年4月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成


 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年4月の水関連株式市場』を参照)。

 

(2020年5月20日)

 

 

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1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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