前回に引き続き、カナダの不動産投資事情について見ていきましょう。今回は、カナダで不動産を購入するにあたっての留意点を箇条書きで見ていきます。

カナダ不動産の購入で注意すべき「12のポイント」

日本人がカナダの物件を購入する場合に陥りやすい過ちとしては(これは海外不動産全般にいえることかもしれませんが)、以下のような点が挙げられます。

 

①常に価格が上がると思っている。

 

当然ながら、逆に資産価値が下落することもあります。

 

②購入するに際し、専門家による調査を行わず、売り手や不動産仲介業者の言葉をうのみにする。

 

とりわけ、環境問題については、買い手側が十分な注意を払う必要があるでしょう。環境問題とは、古いオイルタンク跡が地中にそのままになっていたり、過去にペンキ屋や自動車修理工場があったため、古い化学薬品の残滓があったりすることです。

 

③契約書の内容を細部にわたるまでチェックしない。

 

④弁護士なしに契約する。

 

⑤平均的にかかる売却期間を考えない。

 

ウィスラーのようなリゾート地や地方にある物件を売却するには、平均で2年程度かかると思っていたほうがよいでしょう。

 

⑥リゾート地の物件は世界経済の影響をまともに受けやすい。

 

そのため、世界的に不況となった場合は、物件を売却しにくくなり、また売れたとしても安くなります。

 

⑦修理費・修繕費などの購入後の維持メンテナンス料を検討しない。

カナダはもちろん、日本での税務も必ず考慮する

⑧為替の影響を考慮しない。

 

円で借りてカナダドルで物件を購入した場合に特に顕著です。

 

⑨所得税、売上税、不動産保有税など、税金を検討しない。

 

地方自治体への固定資産税は年に一度課税されます。また、処分時に得た利益は課税対象となります。課税は、処分時の源泉徴収、翌年の個人所得税申告で報告する最終税額計算の2段階で行われます。

 

⑩購入後、不動産収入・損失を申告しない。

 

⑪カナダと日本の税金について考慮しない。

 

⑫会計士を使わずに購入する。

本連載は、2014年9月18日刊行の書籍『海外資産の相続』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

海外資産の相続

海外資産の相続

永峰潤・三島浩光

幻冬舎メディアコンサルティング

金融商品や不動産など、海外資産の相続は、手続きが面倒なため、家族の誰も欲しがらないお荷物になってしまうことが多い。ただでさえ複雑な日本の相続税に、国や地域によって異なる税制が絡んでくるため、その処理にも煩わされ…

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