外国人の資産保有は原則として「自由」
カナダでは、外国人が不動産をはじめとした財産を保有するに際して、特別な制限はありません。もっとも、例えば軍用地のように購入が制限されるものはもちろんあります。
他の国と同様、カナダでも日本人が投資対象としているのは不動産が中心です。そこで、以下では、不動産の相続について注意すべきポイント等を解説していきます。
日本人は主に「非賃貸タイプ」を不動産投資対象とする
まず、カナダ(バンクーバーエリア)で個人が不動産を保有する場合、そのタイプは以下のように大きく3つに分けられます。
①日極賃貸(Nightly Rental)
日極賃貸は、ブリティッシュ・コロンビア州のウィスラーに代表されるリゾート地においてよく見られます。
軽井沢などの別荘オーナーになる場合と同様に、不動産オーナーは年間2〜4週間程度、自分自身で物件を利用する以外は、賃貸に出すのが一般的です(賃貸収入で年間維持費の一部をカバーします)。将来的に値上がりする可能性があるので、キャピタル・ゲインも期待できます。
基本的に、物件の管理・運営は、旅行客を相手に物件の賃貸を専門的に行う業者、プロパティーマネージャー(Property Manager)を雇って行います。
②月極賃貸(Monthly Rental)
月極賃貸は、バンクーバー及びその周辺地域でコンドミニアムを保有し、月決めでカナダ人に賃貸に回すというのが典型的な形態です。日極賃貸と同じように、物件の管理・運営はプロパティーマネージャーを雇って行います。賃貸収入と将来のキャピタル・ゲインが期待できるのも日極賃貸と同様です。
③非賃貸(Not Rented)
非賃貸は、ウィスラーのようなリゾート地の物件を購入後、賃貸せずに好きなときに(年に1〜4カ月程度)来て自分で利用するために保有する形態です。物件の種類としてはコンドミニアムが好まれる傾向にあります。
賃貸に回して維持費を節約することには無関心な日本人は、この非賃貸タイプをもっぱら不動産投資対象としています。将来売却した際のキャピタル・ゲインを期待できることは、前2者と同様です。