ゼロ金利政策を維持
■米連邦準備制度理事会(FRB)は4月29日、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを0.0~0.25%に据え置き、ゼロ金利政策を維持しました。政策金利の据え置きは市場の予想通りでした。
■また、米国債などを制限なく購入する量的緩和政策など、新型コロナの影響で急速に悪化した経済を支えるため3月以降に相次いで導入した異例の金融緩和策の維持も決めました。
金融緩和の長期化示唆
■声明文では、「経済が足元の状況を乗り切り、最大雇用と物価安定の目標達成に向け軌道にのったと自信をもてるようになるまでは、政策金利を据え置く」と明言し、当面はゼロ金利を維持する考えを強調しました。
■会合後の記者会見でパウエル議長は、4-6月期の経済が深刻になるとの認識を示したうえで、「以前の経済状況にはすぐには戻らない」と述べ、景気回復に時間がかかる認識を表しながら、「必要に応じてさらなる措置も検討していく」方針を示しました。
FRBの緩和は長期化、経済活動の再開を待つ
■パウエルFRB議長が記者会見で景気回復への不透明感や追加緩和策の可能性に触れたことで、金融緩和が長期化するとの見方が改めて強まりました。こうしたなか、29日の米国市場では、株式市場が大幅高となる一方、債券市場は小幅ながら下落しました。ダウ工業株30種平均は、新型コロナの治療薬候補の「レムデシビル」の臨床試験で有効性が示されたことを好感し、前日比532ドル高の24,633ドルで終えました。債券市場の指標となる10年物国債利回りは、株高を受け、前日比0.01%上昇し(価格は下落)、0.62%で終了しました。FRBの異例の金融緩和で景気が下支えされる中、治療薬の開発が経済活動の再開を後押しするとの見方を市場は織り込み始めた模様です。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FRBは異例の金融緩和策を維持(2020年4月)』を参照)。
(2020年4月30日)
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