「さくさくの天ぷら」英語で何と言う?
英語ができるようになるためには、英単語を覚えることは避けられません。たくさんの英単語記憶の方法がありますが、ここではできるだけ時間をかけずに大量の英単語を覚えていく方法を紹介します。
当たり前のことですが、英語を速く正確に読むためには、その前提として英単語や熟語などの知識が当然必要です。重要なのは知識を持っていて、しかもそれをスムーズに使うことができるということ。語彙を増やし、それをいつでもすっと頭から取り出せる状態をつくることです。
[図表]で示すように、言語の知識には、「産出知識(productive knowledge)」と「受容知識(receptive knowledge)」があります。外側の円が受容知識、その内側の小さな円が産出知識です。
●受容知識とは、受け身の知識のこと。読んだり、聞いたりしたときに理解ができる知識を指します。
●産出知識は、自分で書いたり、話したりというアウトプット活動を行う際に使うことができる言語知識のこと。
私たちは自分が聞いたり読んだりしたときに分かる言葉(受容知識)の一部のみを、アウトプットのために用いることができます。
例えば、あなたは「さくさくの天ぷら」を英語でさっと言えますか?
では、「crispy tempura」と聞くとどうでしょう。そう難しいと感じることなく、衣のさくさくした天ぷらを思い浮かべることができるのではないでしょうか。
これが、聞いて分かる知識「受容知識」と、自分で書いたり読んだりできる「産出知識」の差です。もっといえば、受容知識は「単に意味を知っている言葉」で、産出知識は「適切な場面で使いこなせる言葉」です。
英語のネイティブスピーカーでも、スペルが複雑で使用頻度も低いような言葉は正しく使えないことがあります。読めて意味が分かっていればさしあたり困らない、そんな単語があるのです。
意味を優先、スペルは後回し「書かずに覚える英単語」
大学受験生が英単語を覚える際には、始めのステップとして受容知識を増やしていくのがよいでしょう。
単語を覚えるということを、「英単語」と「それに対応する日本語の訳」とのペア(あるいは英語そのものの持つイメージ)を覚えることだとすると、まず行いたいのは、英単語を見てぱっと日本語訳を言えるようにすることです。
それが十分にできたら、日本語を見て対応する英単語を言えるようにしましょう。スペリングは最後で構いません。正しく書けなければならない単語と、見て日本語訳や発音が分かる単語は同じ量ではないのですから、同時に行う必要はないのです。
①英語を見て、日本語を言えるようにする
②日本語を見て、英語を言えるようにする
③スペルを確認する
「英単語は書きながら覚えよう、そのほうが脳を刺激してよく覚えるから」という人もいますが、書きながら覚えることはあまりにも時間のかかることなのでおすすめしません。
ある程度のスペルと発音のルールが頭に入っている受験生なら、スペルを殊更に覚えようとしなくても、発音が分かればなんとなく書けるようになっているはずです。そもそも、高校の先生は「書いて覚えなさい」とはあまり言わないのではないでしょうか。高校生以上の学習者にとっては、単語を書いて覚えるというのは時間のかかる割に効果の薄い方法なのです。
英語を学び始めの中学生の頃に行った学習方法を、何も考えずに続けるべきではありません。大学受験では覚える単語の複雑さも量も膨大になります。覚え方についてもアップデートが必要です。
学び舎東京PLUS