バイオ医薬品株式の動きと新型コロナウイルス治療薬開発への期待

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医薬品の需要は景気変動の影響を受けにくい特性が注目され、バイオ医薬品株式の株価は市場全体よりも小幅な下落にとどまっています。また一部のバイオ医薬品企業が新型コロナウイルスの治療薬・ワクチンの開発を積極的に進めています。

世界の株式市場が大きく下落する中、バイオ医薬品株式は相対的に小幅な下落にとどまる

新型コロナウイルスが世界的大流行(パンデミック)となる中、世界経済の先行き不透明感が高まっており、2月下旬から世界の株式市場は大きく下落しています。

 

米国株式の代表的な指数であるS&P500種株価指数は2020年3月31日時点で年初来-19.6%の下落を記録しています。このような中、バイオ医薬品株式も大きく下落していますが、同期間の下落率は市場全体よりも小幅な-10.3%となっています。

 

バイオ医薬品株式については、時価総額が小さな中小型銘柄が多いことから市場全体よりも価格変動が大きくなる傾向がありますが、今回の市場急落では、医薬品の需要は景気変動の影響を受けにくいという特性が注目され、株価の下落が市場全体よりも小幅にとどまっていると考えられます。

 

2019年12月31日=100として数値化 ドルベース、日次、期間:2019年12月31日~2020年3月31日 ※バイオ医薬品株式:ナスダック・バイオテクノロジー指数、 米国株式:S&P500株価指数、どちらとも配当込 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表1]バイオ医薬品株式と米国株式の推移 2019年12月31日=100として数値化
ドルベース、日次、期間:2019年12月31日~2020年3月31日
※バイオ医薬品株式:ナスダック・バイオテクノロジー指数、
米国株式:S&P500株価指数、どちらとも配当込
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

複数の医薬品企業が新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発に取り組む

またバイオ医薬品企業を含む複数の医薬品企業が新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発に取り組んでおり、これらの企業の株価は相対的に堅調となっています。

 

バイオ医薬品企業が開発している治療薬では、ギリアド・サイエンシズ(米国)がエボラ出血熱の治療薬として開発していた「レムデシビル」の治験が進められています。ウイルス増殖を抑える効果があると期待されており、ギリアド・サイエンシズの株価は、年初から2020年3月31日までの期間で+15%上昇しています。またリジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)は、サノフィ(フランス)と関節リウマチ治療薬として既に承認されている抗体医薬の「ケブザラ」による治療についての治験を進めています。

 

また治療薬よりも開発が難しいといわれているワクチンについては、モデルナ(米国)、BioNTech(デンマーク)、CureVac(ドイツ)などが核酸をベースとしたワクチンの開発を行っています。モデルナは会長が春もしくは夏の初めにはフェーズⅡ治験を開始できるのではないかとの見方を示しています。

 

その他、大手製薬会社などバイオ医薬品企業以外でもいろいろな治療薬の開発が行われています。70年以上前から使用されているサノフィ(フランス)の抗マラリア薬「クロロキン」、アッヴィ(米国)の抗HIV薬「カレトラ」、富士フイルムのグループ会社富士フイルム富山化学のインフルエンザ治療薬「アビガン」なども有望な候補薬となっています。

 

治療薬の開発はワクチンよりも早くすすむと見られ、世界に大きな影響を与えている新型コロナウイルスへの対策に寄与することが期待されます。

短期的な株価変動には引き続き注意が必要

中長期的にはバイオ医薬品企業は革新的な新薬を生み出し続けており、これが成長ドライバーとなっています。また画期的な新薬やパイプライン(新薬候補)、革新的な新薬開発の技術を有するバイオ医薬品企業については、大手医薬品企業などによるM&A(合併・買収)のターゲットとなることも株価にとってプラス要因となると考えます。

 

一方、年初来では世界株式や米国株式に比べ相対的に小幅な下落にとどまっているバイオ医薬品株式ですが、先にも述べたように、時価総額の小さな中小型銘柄が多く、市場の変動が大きくなる局面ではそれを上回る変動を示すことがあり、短期的には引き続き注意が必要と考えます

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『バイオ医薬品株式の動きと新型コロナウイルス治療薬開発への期待』を参照)。

 

(2020年4月6日)

 

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1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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