2020年2月の水関連株式市場

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社マーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

2月の投資環境

2月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で下落しました。上旬は、米ISM景況指数が製造業、非製造業とも市場予想を上回ったことや中国人民銀行による大規模な資金供給などを背景に上昇しました。その後も中国で新型コロナウイルスの感染拡大が鈍化の兆しを見せたことなどを受け高値圏での推移となりました。しかし月後半は、米アップルが新型コロナウイルスの影響で売上見通し達成が難しいと発表したことや、新型コロナウイルスの感染者が世界各国で増加し世界経済の先行き懸念が高まったことから、世界の株式市場は急落し、月間でも大幅な下落となりました。

 

業種別では、全てのセクターが下落する中、エネルギー、情報技術、資本財サービスなどの下落率が大きくなりました。一方、公益やヘルスケアなどは市場平均よりも小幅な下落にとどまりました。

 

こうした中、水関連企業(現地通貨ベース)の株価も下落しました。環境マネジメント・サービスセクターは相対的に小幅な下落にとどまりましたが、上下水道ビジネスセクター及び装置製造エンジニアリングセクターは下げ幅が比較的大きくなりました。

 

上下水道ビジネスセクターでは、エッセンシャル・ユーティリティーズやアメリカン・ウォーター・ワークスなど米国の水道公益企業が軟調でした。いずれも昨年、堅調なパフォーマンスだったことから、今回の市場調整局面で利益確定売りに押される格好になりました。ただし、水道インフラの老朽化がすすんでおり更新投資が必要なことから料金算定の基礎となる資産規模の拡大が見込まれ業績へのプラス効果が期待されます。装置製造エンジニアリングセクターでは、サイトワン・ランドスケープ・サプライは堅調な業績を発表したことに加え、今後も戦略的な買収による業績拡大が見込まれることが評価され株価は相対的に堅調でした。また、アクアベンチャー・ホールディングスは買収されることが決定しており、株価は安定して推移しました。一方、ダナハーは堅調な業績動向を維持し、買収によりさらなる成長余地があるにもかかわらず、これまでの堅調な株価パフォーマンスの反動から、市場の調整局面で下落幅が大きくなりました。

 

円換算ベース、月次、期間:2010年2月末~2020年2月末  ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)  出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2010年2月末~2020年2月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、
 水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

月次、期間:2010年2月末~2020年2月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数  出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2010年2月末~2020年2月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

足元では、地政学的リスクや米国の金融政策に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大などマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

※データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

 

※将来の市場環境の変動等により、記載の内容が変更される場合があります。

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年2月の水関連株式市場』を参照)。

 

 

(2020年3月27日)

 

 

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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