2020年1月の水関連株式市場

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社マーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

1月の投資環境

1月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で下落しました。

 

世界の株式市場は、月初、中国人民銀行による預金準備率の引き下げなどがプラス要因となった一方、米国によるイラン革命防衛隊司令官殺害や米ISM製造業景況指数の悪化などがマイナス要因となり上下する動きとなりました。その後は米国とイランの対立に対する懸念が早期に後退したことや米中貿易協議の第1段階合意が署名に至ったことなどを背景に中旬にかけて上昇基調となりました。下旬に入ると中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に対する懸念が広がる中、世界の株式市場は大きく下落しましたが、月間では下落となりました。業種別では、公益事業、情報技術などが大きく上昇した一方、エネルギー、素材などが大きく下落しました。

 

こうした中、水関連企業(現地通貨ベース)の株価は上昇しました。上下水道ビジネスセクターが最も堅調となる一方、装置製造エンジニアリングセクターは景気敏感な銘柄を中心に軟調な展開となりました。

 

上下水道ビジネスセクターでは、主に先進国の多くの水道公益企業が堅調でした。米国では地方公共団体の債券発行による資金調達が順調にすすみ、水道公益企業の設備投資が順調にすすむとの見方から業績見通しが改善しました。アメリカン・ウォーター・ワークスは12月の投資家説明会で2024年までの設備投資計画が公表され、業績見通しの確度が高まり株価上昇につながりました。英国では12月の総選挙で保守党が勝利し、水道事業などの再国営化のリスクが低下したことや規制当局から今後5年間の安定的な規制動向が明らかとなったことを背景に堅調でした。フランスのヴェオリア・エンバイロメントは2月に発表される事業計画で収益性の改善が示されるとの期待から株価上昇となりました。一方、装置製造エンジニアリングセクターでは、米国の景況感の悪化を示す経済指標を背景に産業向け、消費者向け製品・サービスの銘柄を中心に軟調でした。A.O.スミスは中国での需要鈍化と在庫増加、また長期的な競合激化が懸念され下落しました。ギーベリッツは四半期業績が予想を下回り、今後の売上げ成長の鈍化が懸念され株価下落となりました。

 

円換算ベース、月次、期間:2010年1月末~2020年1月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2010年1月末~2020年1月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、
 水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

月次、期間:2010年1月末~2020年1月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数  出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2010年1月末~2020年1月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

 

今後の見通し

足元では、地政学的リスクや米国の金融政策に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大などマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

※データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年1月の水関連株式市場 』を参照)。

 

 

(2020年2月18日)

 

 

【関連情報】

 

・幻冬舎グループがIFAをはじめました!

 

・幻冬舎グループのIFAによる「資産運用」個別相談会

 

・資産運用のプロと直接話せる!特別イベント<参加者限定>

 

・認知症による金融資産凍結リスクを回避する「金融資産信託サービス」とは?

 

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTETマーケット情報

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧