1月の流入超過額は一段と増加し、かつ、分散も進む
■1月の投信マネーは、第4週に、新型肺炎によるアジア経済の景気減速懸念を受け、「米ハイ・イールド債」や「新興国アジア」の株式・債券ファンドが流出超となりましたが、月間では1,000億ドル台の流入超過が続きました。中心は「債券」ですが、「株式」、「MMF」に加え、「オルタナ」や「バランス」にも流入しました。投信マネーの流入超過額は全体で+1,414億ドル(前月+1,127億ドル)でした。内訳は「MMF」が+378億ドル(同+601億ドル)と減少した半面、「債券」が+722億ドル(同+420億ドル)と2017年以降で最大の流入超となりました。また、「株式」が+243億ドル(同+132億ドル)と流入超過額が拡大し、「オルタナ」が+59億ドル(同▲5億ドル)、「バランス」が+11億ドル(同▲20億ドル)と、投資先も分散する傾向を示しました。
「アジア」からの極端な流出は確認されず
■債券ファンドは、「先進国」が+635億ドル(同+370億ドル)と13カ月連続の流入超です。「北米」の+474億ドル(同+290億ドル)を中心に、「グローバル」が+138億ドル(同+24億ドル)でした。「新興国」は+87億ドル(同+49億ドル)でした。アジアは、日本を含む「先進国アジア」が▲3億ドル(同+860万ドル)、「新興国アジア」が+27億ドル(同▲1億ドル)と月ベースでみると、大きな流出には至りませんでした。
■株式ファンドは、「先進国」が+152億ドル(同+4億ドル)と「グローバル」の+223億ドル(同+28億ドル)を中心に増加しました。「新興国」は+92億ドル(同+128億ドル)と減少したものの流入超を維持しました。アジアは日本を含む「先進国アジア」が+46億ドル(同▲6億ドル)、「新興国アジア」は1月最終週に▲9億ドルの流出超でしたが、月間では+18億ドル(同+80億ドル)でした。
潤沢な流動性と低金利環境の継続が支え
■新型肺炎の拡散リスクは依然燻っていますが、中国が新型肺炎の感染封じ込め対策を行っていることなどを背景に、悲観的な見通しはやや緩和され始めました。
潤沢な流動性と低金利環境は継続する見通しであり、市場は次第に落ち着きを取り戻すと期待されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『投信マネー、リスク・オフで「債券」への流入が加速』を参照)。
(2020年2月5日)
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