米モーゲージ債は堅調推移
米国債との利回り格差も安定的
■米国モーゲージ債は堅調に推移しています。足元でも新型肺炎の拡大懸念による米国債利回り低下を受けて堅調な推移を続けており、2月3日までの年初来騰落率は+0.7%となっています。
■国債との利回り格差はやや拡大しています。金利低下局面ではモーゲージの早期償還が増える関係でモーゲージ債の利回りが米国債ほどは低下しないためです。中長期的には安定的に推移しています。
国債比上乗せ利回りが魅力
米の金融政策は現状維持
■モーゲージ債が堅調に推移している背景として、米連邦準備制度理事会(FRB)が保険的な利下げを終了したものの、早期利上げも否定していることから、低金利の長期化が意識されていることがあげられます。また、金融政策の現状維持が続くとの見方が増えたことで、米国債市場の変動率が低下しやすい地合いも好材料と考えられます。
■こうした中、国債対比での上乗せ利回りを求めた投資家の需要がモーゲージ債の堅調な推移に繋がっている模様です。本邦投資家にとっても、為替ヘッジコスト控除後で依然としてプラス利回りが残るモーゲージ債は魅力的とみられます。
今後も底堅い展開を見込む
■今年の世界経済は米中関税引き上げの動きが一巡する中、緩やかに回復すると予想します。米国の金融政策は、インフレ率が低位で推移しているため、長期間緩和的な政策が維持される見通しです。従って、米国の長期金利は徐々に上昇するものの、その上昇幅は限定的なものに留まるとみられます。新型肺炎の感染拡大が世界景気に与える影響を見極める必要はありますが、今後もモーゲージ債市場は底堅い展開が予想されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米モーゲージ債は堅調推移、今後の展開も底堅く…2020年2月』を参照)。
(2020年2月6日)
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