■米中の貿易協議「第1段階の合意」では、米中対立の更なる激化による景気下振れリスクが低下した点が重要です。今後は経済指標の改善が期待されます。「第2段階の合意」は、対立が鮮明な産業政策などの交渉となり、難航・長期化が予想されます。一方で、トランプ米大統領は次の照準として欧州連合(EU)に貿易交渉を要求し、合意できなければ欧州車への関税発動を検討すると述べており、交渉の行方が注目されます。
■米国では、3日にアイオワ州で党員集会が行われ、これ以降大統領選挙が本格化します。民主党の候補指名争いでは、各種世論調査でバイデン前副大統領とサンダース上院議員の支持率が拮抗しており、今後の展開が注目されます。
■インドでは2月1日に2020/21年度予算案が発表されます。景気対策が盛り込まれることが期待されており、その内容が注目されます。一方、6日の金融政策決定会合では政策金利の据え置きが予想されています。
■中国では新型コロナウイルスによる肺炎が流行し、春節の時期と相俟って中国国内や各国への感染拡大が懸念されています。観光や消費だけでなく、市場心理も含め経済全般への影響に注意が必要です。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米国対外政策・大統領予備選・新型肺炎拡大…経済への影響は?』を参照)。
(2020年1月28日)
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