政策金利は据え置き
市場予想通り
■米連邦準備制度理事会(FRB)は、12月10日、11日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを1.50~1.75%に据え置きました。これまで3会合連続で利下げが実施されていましたが、足元の経済指標で米経済の底堅さが示されていたことから、据え置きは市場予想通りでした。
ドットは来年の据え置き示唆
金利引き上げは21年以降か
■声明文では、「米国経済は緩やかに拡大している」との判断が維持されました。また、金融政策については「現在のスタンスが適切」とし、FOMC後に行われたパウエルFRB議長の会見でも、当面現在の金利を据え置く姿勢が示されました。
■FOMC参加者による経済・金利見通し(ドットチャート)では、2020年のドット中央値は1.625%となり、参加者の多くが20年の政策金利据え置きを予想しています。21年は1.875%、22年は2.125%とドットの中央値が緩やかに上昇しています。景気・物価ともに見通しの大きな変更はありませんでした。
低金利環境が相場の追い風に
■11日の米国市場ではFOMCの結果を受けて株価、長期債が上昇(金利は低下)しました。為替はややドル安・円高となりました。
■米国では雇用・消費が堅調な一方、インフレ率は依然としてFRBの目標である2%に達しない水準が続いています。米経済が緩やかな回復基調にある中、インフレ率が上がらない限りFRBは当面現在の低金利を維持すると見られ、金融市場にとって追い風になると見られます。
■また、今回のFOMCで金融緩和が続くと受け止められたことはドル安の要因ですが、リスクオン下でのドル安のため、大幅な円高に結びつくリスクは低いと見ています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FRB、金利を据え置き…ドットは来年も据え置きを予想』を参照)。
(2019年12月12日)
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