引越し、入学手続き、住居…留学直前準備がバタつきがちなワケ

グローバル化が急速に進むなか、子どもに英語のみならず、国際感覚を直接現地で身につけさせたいと考える富裕層が増えている。本記事では、数多くの留学サポートを手がける株式会社アエルワールドで海外生活カウンセラーとして親子留学を担当する北原万紀氏が、「海外留学」、「家族長期留学」等についての最新事情を解説する。今回は、留学先に合わせた住まい探しや引っ越し事情などを見ていきます。

私立校と公立校で若干異なる入学のルールとは?

親子留学の際にとても重要となるのが住む場所です。環境もさることながら、学校によっては、住むところが決まっているか否かでも、入学手続きが異なりますので、当然学校選びに大きく影響します。

 

私立校に通学する場合、住所はあまり気にする必要がありません。あらかじめ通学する学校を決めてからビザ申請を進めたい場合、私立校の方が確実です。ただし、公立の場合、ビザの種類、州の教育省や学区によってルールが異なるので、確認が必要です。ここでは、学校手続きに住所が必要な場合と、必要でない場合の2つの考え方を見てみます。

 

【学校手続きに住所が必要なケース】

以前、オーストラリアの地方の大学にご留学するお母さまと、そのご家族をお手伝いした際に、お子さまの公立校手配で実際にあったケースがそうでした。教育省や学区に入学手続きを行い、受け入れの許可証を発行してもらってビザ申請をしますが、通学する学校がこの時点では不明です。入国後に住居を決めて、住所を証明する書類(賃貸契約書やガス・水道などの支払い書など)を持って、もう一度学校の手続きに行きます。この場合、住所のある学区の学校に通うという考え方です。

 

【学校手続きに住所が不要】

ところが、同じオーストラリアの公立でも、住所がなくても先に学校が決定するケースがあります。例えばオーストラリアのブリスベンでは、親のビザが、就労ビザや学生ビザの場合、学校手続きの際に住所が必要ですが、親のビザが保護者ビザの場合、住所を決めずに入学手続きが可能です。カナダ・バンクーバーの公立校はも住所が決定していなくても希望の学区に学校手続きが可能な上、学区外からの通学が可能です。

 

教育委員会または学区、ビザの種類によって、学校と住所の関係が異なることがありますので、事前に調べておくことが賢明です。

便利な「サービスアパートメント」という選択肢

入国前に賃貸の契約をするケースはゼロではないですが、あまり多くありません。理由は以下の通りです。

 

・オーナーは早く空室を埋めたいので、先々の入居予定まで長く待てない

・先々の入居予定で賃貸契約する場合も、契約した時点から賃料が発生することがほとんど

・内覧しないで決めると、トラブルが多い

・内覧するためには渡航が必要

・ビザが降りていない場合、オーナーが貸したがらない

・銀行口座の開設ができていない場合、契約が困難

 

上記を解消できた場合でも、支払い能力や身元の証明のために、英文の雇用証明、英文残高証明、自営業者や経営者の場合は、売上などがわかる確定申告書や会社概要、書類などを求められることがほとんどです。こうした手続きは、手間がかかるため、人気物件の場合に現地の人を優先したがるという話もよく聞きます。

 

ほとんどの場合、親子留学では、入国後に住居を決めていきます。そのため、入国直後は、部屋探しと契約、引っ越しの期間のために、3~4週間程度をサービスアパートメントに入居される方が多いです。サービスアパートメントとはホテルとアパートの中間の機能をもった住居のことで、水道光熱費、リネン交換、クリーニング、ハウスキーピングなどが含まれており、フィットネスジム、スパ施設などの附帯施設も利用できる施設も多いです。

 

サービスアパートメントは、日本からの契約ができて家具がすでについているので、海外では日本の駐在者がよく利用しています。賃貸よりは割高ですが、サービスアパートメントは週や月単位で賃貸ができるので便利です。中には、1年程度の留学でしたら、サービスアパートメントを1年契約される方もいらっしゃいます。

準備をしていないと「引越し」が大変な負担に…

書類の記入や収集はあるものの、留学の手続き、ビザ申請自体は、紙やオンラインで進んでいきます。特に2年以上の長期滞在を予定されるお客さまからは、「こんなに簡単に済んでいいのですか」と驚かれます。ただここからが大変さを感じはじめることが多いのです。モノを動かす段階となり、「実感」というものがついてきて慌ただしくなるからです。

 

引っ越しの際の荷物の発送には、ほとんどのケースで海外引っ越し専門の業者に依頼をします。航空便と船便では、料金も輸送時間も大きく異なります。北米方面で航空便だと約2週間、船便だと2~3カ月かかります。貴重品や入国してすぐに使用するものは、手荷物やスーツケースで渡航時に持ち込みします。規定によって大きさや重量が決まっていますので、比較的すぐに必要になるものは航空便を使用するのが一般的です。また、すぐに使わない先の季節の衣類や、大きな家具などは、船便を使用することが多いです。

 

海外への引っ越しでは受け取りの際に、注意が必要です。例えばカナダ・バンクーバーの場合、「出頭通関」といって、受け取りの際に、本人がパスポート、ビザを持って税関に行く必要があります(通関業者が同行する場合もあります)。この税関は空港の税関とは異なり、街中のオフィスです。このオフィスで手続きを行なった後に、発送先の住所に荷物が届くような仕組みです。日本での着日指定や、時間指定に慣れていると、思った以上に大変に感じるかもしれません。

 

今回は意外と大変な親子留学の一面をご紹介しました。こうした準備が大変だからと、ご提案した内容通りにお任せいただくケースは少なくありません。お忙しいドクターのお母さまが、1週間前まで勤務しながらご準備され渡航されたケースもあります。

 

入国後すぐに、家探し、賃貸のお手続き、車のご購入までを2週間程度でご案内。3週間後からお子さまも通学を開始され、続いてお母さまも通学を開始されました。渡航前後はどうしても慌ただしくなりますが、計画的に段取りを組むことでストレスは軽減されるはずです。スムーズに生活がスタートできるように、しっかりとした事前のご準備をおススメします。

株式会社アエルワールド 海外生活カウンセラー(親子留学担当)

カナダ留学経験を活かし米系グローバル企業にて8年勤務後、独立。海外ビリオネアのアシスタントや国内エグゼクティブアシスタントを務めながら、目標達成・自己実現を含む生涯教育の分野で講師を経験。言語習得だけではない普遍的なユニバーサルスキルの習得ができる留学の設計や、留学を手段としたライフプランニングを専門とする。

著者紹介

株式会社アエルワールド 代表取締役

大学卒業後、国際証券株式会社(現・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社し、個人・事業法人・財団法人等の資産運用のコンサルティング業務を担当。約4年間の資産運用コンサルティング業務を経て、留学・旅行業界に転職し、ビザ申請や海外生活設計のアドバイザー業務に携わる。2004年6月に家族・親子・退職者・会社経営者・投資家等のロングステイ、海外赴任者のサポート企業として株式会社アエルワールドを設立し、代表取締役に就任。現在までに1万人以上の海外移住や長期滞在に関する相談を担当。また投資家・資産家向けの海外生活コンサルティングにも精通し、グローバルに金融資産と居住生活をどうアロケーションするのか等、幅広い分野でお客様をサポート。

著者紹介

連載下は0歳から~富裕層で広まる「家族長期留学」事情

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