医学部受験「予備校通い」しても成績が上がらない受験生の特徴

医学部受験は長期戦です。2浪や3浪は当たり前、5浪を超える人だって、何ら珍しい話ではありません。大手予備校に通う人は多いですが、ただ予備校に入って満足してはいませんか? 成績を上げるには、闇雲に勉強するのではなく、まずは「勉強のコツ」について学ぶことが大切です。『逆転合格を実現する 医学部受験×パーソナルトレーナー』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集し、解説します。

医学部受験「有名予備校」通っても成績が上がらない人

医学部受験では、成績を上げるため、多くの人が予備校に通います。受講生を100人も収容できるような大きな教室で講義が行われることもあります。同じ予備校で同じ講義を受けて成績を大きく伸ばす人もいれば、そうでない人もいます。受講したのが有名なカリスマ講師のすばらしく分かりやすい講義であっても、このことは変わりません。では、成績を上げられない人が出てしまうのはなぜでしょうか。

 

実はこの理由は特に難しいものではありません。成績が伸びるプロセスについて、シンプルに考えてみましょう。

 

成績が伸びるためには、

 

① 分からないこと、できないことを見つける

② 知識を得たり、練習をしたりしてそれを克服する

③ 成績が伸びるというプロセス

 

が必要です。

 

予備校の講義というのは、②の「知識を得る」というところをカバーするものです。しかし、本来成績を上げるためには「自分はどこでつまずいているのか」、「どこができないのか」を事前に把握しておかなければなりません。知識の穴を埋めることによってのみ成績は伸びるからです。予備校で講義を受ける人のうちどのくらいの人が、自身の弱点を「正確に」把握しているでしょうか。

 

また、たとえ自身の弱点を把握できていたとしても、予備校の講義は多数を対象としているため、高学力者にとっては「授業の内容が簡単すぎて役に立たなかった」ということもあり得ます。知っていることを重ねて聞いても、成績は伸びません。

 

では、「勉強が苦手で、初めて聞くことばかりだった」という場合はどうでしょうか。すべてを吸収できてみるみる成績が上がるのでしょうか。残念ながらそんなことはありません。そこまで知識がない状態では、何を言っているのかさえさっぱり分からない、となってしまうでしょう。

 

では、予備校に通って成績が上がるのはどんな人でしょう。集団授業で成績が上がるのは、その講義がターゲットとする学力層(上過ぎても、下過ぎてもダメです)、さらにその講義で得られた新たな知識を定着させるためにきちんと復習ができた人です。

 

予備校には、教科書や参考書を読むだけでは理解が難しい内容について、分かりやすくかみ砕いたすばらしい講義を行ってくれる講師は少なくありません。問題の解き方、知識の入れ方、情報の整理の仕方を鮮やかに説明して、学力アップの方法を示してくれる講師はとてもすばらしいものです。自分のレベルが予備校のカリキュラムにぴたりと合えば、成績は上がりやすいでしょう。

「医学部受験予備校」は、その在り方を問われている

医学部受験は、かつて、「わかりやすい授業」は有名予備校でないと手に入らないとされてきました。しかし昨今では、Web学習サービスなどのオンライン配信やDVDなどを利用することで、手軽にアクセスできるようになりました。

 

それらの市場も拡大してきて、非常に安価に、誰でもどこでも学力を上げるための情報が手に入るようになったのです。特に近年のインターネット配信サービスの拡充は革命的ですらあります。

 

これはつまり、成績を伸ばすためのプロセスの二つ目である「知識を得たり、練習をしたりしてそれを克服する」ことへのハードルが著しく下がったということを意味しています。

 

そして、逆にその前のプロセス、「分からないこと、できないことを見つける」ということの重要性が相対的に増したということです。これからの予備校は、弱点や課題を発見し、適切な学習法を提示するものになっていくのではないでしょうか。

医学部受験では「弱点」をどう見つければいいのか?

医学部受験において、自分自身の弱点を自力で正確に見つけることも不可能ではありません。ここでは、弱点発見の方法を紹介します。

 

例えば数学である問題が解けないとき、「この問題が解けない」ということそのものは弱点ではなく、単なる事実です。その問題が解けないのには、何か理由があるはず。公式を知らないとか、計算力が足りないとか、基本となる概念の理解が足りないとか、そういう「不足したもの」を弱点といいます。

 

問題の正解、不正解ではなく、できなかった理由に注目することが弱点発見のカギとなります。自分の弱点が分かれば、それを克服することで成績は上がるはずです。ある程度まで勉強を重ねてきた受験生は、自分の弱点に気づきやすくなりますから、成績も上がりやすくなってきます。

 

一方で、医学部に行きたいと一念発起したものの、これまで真剣に勉強に取り組んでこなかったという生徒もいます。そういう人にとっては、できない理由を見つけるということはやはり難しいものです。いわゆる、「分からないところが分からない」という状態です。授業で出てくる新しいことについていくのが精一杯となるでしょう。これは、とても非効率で成績も上がりにくい状況といえます。

 

そういう人は、まずは一度立ち止まりましょう。今学習していることがレベルに合っていない可能性があります。自分の今の学力状況や課題を検討する時間を取ってみてください。例えば英語に課題があると感じるなら、いつから「英語が苦手だ」と感じたのか、思い出してみてください。高校生になってからですか? それとも中学校で学習するような内容も覚束ないのでしょうか。

 

課題を洗い出すときには、あくまで客観的に。たくさんの課題が見つかることで不安になるかもしれませんが、この作業を経ずにただやみくもに取り組む時間の大きさを考えれば、これはとても大切なことです。

 

自分で課題を見つけられたら、どう取り組むべきか考えてみてください。中学校1年生の内容に穴があるのなら、当然そこに取り組むことから考えるべきです。「そんなことをやっていたら間に合わない」と不安に感じるかもしれませんが、実際に取り組んでみれば存外にすいすいと進んでいくことが分かるはずです。

 

「中学校の内容に不安があったから集中的に取り組んでみたら、3週間で終わったし、そのあと、高校の内容もスムーズに理解できるようになりました」といった話はよく聞くものです。

 

勉強の苦手な人が受験生向けの模試の結果だけを見ていても、弱点がすぐに見つかるものではありません。そこに書かれているのは、その受験生向けのテストで測られたことに対して、できた、できなかったという結果だけです。その模試以前のつまずきについては、やはり自分で見つけていくしかありません。教科書の目次をさかのぼってでも、苦手を洗い出していくことです。

 

客観的に自分の課題を洗い出すことが大切
客観的に自分の課題を洗い出すことが大切

医学部受験こそ「シンプル」に考えることが大切

医学部受験では、何事もシンプルに考えてください。中学英語の内容が理解できていないのに、大学入試の問題が解けるはずはないのです。シンプルに、着実に、でも急いですばやく進めていくことを意識しましょう。ほかの教科でも基本的には同じことです。

 

気をつけなければならないのは、最初から詰め込みすぎないこと。これまであまり勉強をする習慣がなかった人にとって、はじめのハードルは勉強を継続するということでしょう。習慣を身に付けるためのコツは、小さく始めることです。

 

とにかく始める、手当たり次第やる。そんなふうに取り組むのはやめましょう。気合いや根性に逃げる前に、成果を出すための取り組みを、合理的に真面目に考えるべきです。

医学部受験は長期戦…まずは「勉強の習慣化」を

医学部受験をするなかで、いかに弱点を把握し、授業や自主学習を通して必要な知識を入れることができたとしても、それを定着させなければ効果はありません。授業の時間は理解の時間。きちんと定着させるには復習が不可欠です。そのためには、「勉強の習慣を身に付ける」ことが重要です。

 

では、学習を継続するためには、何が必要だと思いますか? 強い精神力でしょうか? それともモチベーションでしょうか? 実は継続するために必要なことは、そのような「気持ち」ではありません。ではなんなのか。それは「継続できる仕組み」を作ることです。もっと端的にいえば、やる気がないときでもやれるような仕組みを作ること。

 

考えてみれば分かることです。「やる気を高めて勉強する」というのは、言い方を変えれば、「やる気がなければ勉強しない」ということ。そんなことより、勉強を毎日の暮らしの一部にすればいいのです。

 

まずは「鬼のように勉強するんだ」といった過剰な精神性は捨ててください。受験勉強は短期間。で終わるものではないのですから、着実に続けられることを重視しましょう。

 

授業で学んだことを、定着させる。そのためには振り返りの時間、復習して定着させる機会が必要です。効率よく学びを進めるためには、取りこぼしをできるだけ少なくすることです。次々に新しいことに取り組んでいく勢いよりも、知識を一つずつ自分のものにするような丁寧さのほうにより価値があります。

 

授業を受けているときから、復習すべき箇所の見当を付けておくと復習に取りかかるハードルはぐっと下がります。これは復習のコツともいうべきこと。ただ授業後に復習しようと考えているより、「この部分を見直して覚えてしまおう」とか「この問題を解き直して整理してみよう」と、頭の隅で考えながら授業を受けると、復習に取りかかりやすくなるのです。

 

何か行動を起こすときには、何をするのかが具体的であればあるほど良いと言われています。「復習をする」よりも「例題3を解き直す」のほうがより具体的なので、そのほうが取りかかりやすくなるということです。

 

今の時代、知識を得るためだけなら、もはや授業は必要ありません。参考書を読み、Webの講義を視聴すれば事足ります。むしろ大切なのは、「自分にとって」必要な知識を手に入れ、それを定着させること。どこをどんな方法で復習すれば、より定着するのかを具体的に考え、実際に定着したかどうかを細かく確認することなのです。

医学部受験の勉強には「知識」と「技術」が必要

医学部受験の世界ではあまり意識されないことですが、テストで点を取るためには「知識」だけでなく「技術」が必要です。例えば英単語や熟語、文法などは覚えるべき「知識」です。一方で、英文をすばやく読む、リスニングで音を聞き取るというのは「技術」です。数学でも、公式や概念の理解は「知識」ですが、計算をすばやく正確に行うのは「技術」に当たります。

 

では、その「技術」を身に付けるためには何をすればよいのでしょうか。なにも難しいことはありません。その答えはとてもシンプル。練習です。

 

授業をいくら聞いても、それだけでは技術は身に付きません。正しい練習方法が分かったら、練習をすること。それが技術を身に付ける方法です。

 

技術は、正しい方法で練習すれば、効率的にすばやく身に付けられます。もちろん一夜にして楽に身に付ける方法はありませんが、正しい方法で練習をすれば誰でも上手になれるものです。同じ練習でも、間違った方法で行えば、たとえ身に付けることができたとしても余計な時間がかかってしまうでしょう。

 

そこで求められるのが、正しい知識です。筋トレを始めるとき、スポーツジムではまずトレーナーについてトレーニングの方法を教えてもらいますよね? いきなり自己流で始めるのが非効率であることは誰でも知っています。専門的な知識と正しい技術を持っている人に教えてもらいながら進めたほうがはるかに効果は高くなります。

 

勉強の技術でも、それはまったく同じこと。計算力を上げたいなら、「毎日50問解くぞ!」といったやみくもな根性論よりも、今のレベル、苦手な計算の種類、スピードに対して、どんな問題をどれくらい解くのか見極め、その結果どのくらい成長したのかを観測しつつ進めたほうが良いはずです。英語の音読でも、レベルに応じた教材選定が重要です。正しい練習方法を学ぶことで、効率的に、確実に技術を磨くことができるようになるはずです。

 

練習方法については、学校などの先生に聞いてもいいですし、書籍やインターネットで情報を集めてみるのも良いでしょう。合理的で正しい方法を見つけることができれば、効率はぐっと上がるはずです。

学習塾講師、教室長などを経て、2010年2月に恵学社を設立。難関医学部向け少人数教育予備校の「烏丸学び舎」「学び舎東京」「学び舎東京PLUS」、科学的な学習法を掲載するWebメディア「Study Hacker」英語のパーソナルジム「ENGLISH COMPANY」を次々と立ち上げ、業績を急激に伸ばしている。

著者紹介

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逆転合格を実現する 医学部受験×パーソナルトレーナー

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岡 健作

幻冬舎メディアコンサルティング

「なにがなんでも受かりたい」親子必読! パーソナルトレーナーとともに目指す、医学部「逆転合格」! スポーツ選手だけではない、受験にもパーソナルトレーナーが必要――。 いくつもの予備校を開講し、医学部合格者を…

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