SENSEXは最高値更新
■インド株式市場は、米中が貿易交渉で暫定的に部分合意に達したことや、英国の欧州連合(EU)離脱を巡り「合意なき離脱」の懸念が後退したことによる、世界的な投資家のリスク選好姿勢の強まりを背景に、堅調な展開となっています。政府が9月に発表した法人税減税に伴う7-9月期の企業業績の上振れも後押しし、代表的な株式指数のSENSEX指数は6月以来の40,000ポイント台を回復し、終値ベースで過去最高値を更新しました。
ムーディーズが格付け見通しを引き下げ
■米格付け会社大手ムーディーズは11月7日、インド国債の格付けをBaa2で据え置く一方、見通しを安定的から悲観的(ネガティブ)に引き下げました。その理由として、成長率が大幅に下振れるリスクが高まったことを挙げています。ムーディーズは近い将来に格下げを実施する可能性が高いと思われます。今年に入りインド経済が急減速しているなか、多くの市場参加者は今後の景気回復を見込んでいますが、ムーディーズの判断はそうした見方に疑問を投げかけました。
高値圏もみあいか
■米中交渉の進展期待などにより投資家のリスク選好姿勢が強まっているため、世界的に株式が上昇地合いにあり、インド株式市場にも追い風となっています。ただし、9月以降の相場上昇で株価バリュエーションが高まっていることや、先行きの景気減速懸念が台頭するリスクなどから、短期的には上値の重い展開となり、高値圏でもみあいとなりそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場は最高値更新…2019年11月前半』を参照)。
(2019年11月12日)
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