政策金利0.75%に据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は、11月5日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を過去最低の0.75%に据え置きました。据え置きは市場予想通りでした。
雇用の伸びが減速する一方、失業率は下げ渋る見通し
■声明文では労働市場について、労働需要の増加と供給増とが均衡しており、賃金の伸びは弱いまま、しばらく現行の水準で推移することが予想されると述べています。
■豪州の7-9月期インフレ率は前年比1.7%でした。RBAは、インフレ率の上昇はわずかなものに留まり、2020年、2021年に2%に近づくとして、前回よりインフレ見通しを引き下げました。
■また、完全雇用とインフレ目標の達成のため、長期にわたる低金利を予想するのが合理的であると指摘しています。
豪ドルは追加利下げ予想が重石も底堅い動きに
■今後の金融政策について声明文では、必要であれば追加緩和を行う準備があると述べています。ただし、次の緩和までは一定の距離があると見られます。弊社では、RBAが今後とも成長率見通しに関し慎重になるとの想定のもと、来年、追加利下げを行うと予想しています。
■豪ドルについては底堅い動きを予想します。米中通商協議は部分合意などで両者が歩み寄る姿勢を示しているなどリスク回避の要因が減少していることや、利下げや所得減税などの効果が見え始め、経済の持ち直しが期待されることが豪ドルを下支えしそうです。ただしRBAに対する利下げ観測は残っており、豪ドルの一方的な上昇は考えにくい状況です。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪金融政策は0.75%に据え置き、追加利下げ示唆』を参照)。
(2019年11月5日)
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