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メンテナンスに必要な「5つの基本項目」
太陽光発電の運営に際し、よく相談を受けるのが「メンテナンス」についてである。実際に稼動させた後、安定的な収益を上げるには適切な維持管理が不可欠だ。しかし、そのためにはある程度の手間も費用も必要になる。もし放置すれば、収益に影響が出るだけでなく、自然災害によってひどいダメージを受けたり、破損した部品で人が大けがをしてしまったり、深刻なトラブルにつながりかねない。
太陽光発電の設備に関して、基本的なメンテナンスとその頻度について、平易に解説していこう。
主なメンテナンス項目としては、下記の5つが挙げられる。
①草刈り
②パネル洗浄・手入れ
③盗難対策
④電流、クラックのチェック
⑤災害対策
除草シートは有効、パネル洗浄は費用対効果が低め
①草刈り
いちばん相談が多く、そして悩ましいのが草刈りだろう。メンテナンス会社と契約し、年1~2回実施している人が多い。しかし、余計なコストをかけたくない、設備が近隣なので自分で行いたいとの理由から、草刈りのやり方の相談が多く寄せられる。施工時(完工時)に防草シートなどの雑草対策をしている設備もあるかと思うが、防草シートなどは3~8年程度で劣化してしまう製品も多く、隙間や防草シートの上から草が生えてくるといった状況も見受けられる。
防草シートの耐用年数は、ホームセンターなどで売られている3,000円程度(1m×50m)の商品なら3年程度、ザバーンなど業者仕様で35,000円程度(1m×50m)なら8年程度だ。ヤギを飼って草を食べさせる、クローバーなど丈の低い草を植えるなど、色々な試みがなされているが、いずれも成功したという話は聞かない。ヤギは好きな草しか食べてくれず、クローバーなどもうまく繁殖しないうちに雑草に主導権を取られるといった具合だ。
理想としては、設備の点検も兼ねて毎年梅雨前に1回、お盆明けに1回ぐらい行うのがいいのだが、実際のところ、毎年2回というのはかなり厳しいだろう。
現実的には「防草シート+年1回の草刈り」程度であれば、管理可能ではないかと思う。草刈り機も、農業などで慣れているなら別だが、刈り方(右から左)、刈る長さの調節、強さの調整、機械のオイル交換など意外と大変で、筆者も毎年筋肉痛に悩まされているが、こればかりは慣れるよりほか術がない。
除草剤なども有効だが、近隣に田畑がある設備の場合は薬剤の影響が出てしまう可能性もあり、また実際に影響がなくても、不作時の理由にされかねないリスクもあるため、注意が必要だ。また、なぜか雑草が生える設備とそうでない設備がある。ご自分の設備の状況に合わせ、草刈りの必要性やその頻度を考えることが肝要である。
② パネル洗浄・手入れ
こちらもお客様先で聞かれることが多い項目だ。地域性が大きいと思われるが、ホコリ、砂、花粉、秋口の枯れ葉など等々、風に乗ってくるものはだいたいパネルに付着する。また、オーナーのなかには、このような汚れだけでなく、水道水のカルキにも気をつけ、くみ上げの井戸水で清掃をしている人もいる。
ただ筆者の感覚として、パネルの汚れにはそれほどナーバスになる必要はないと考えている。実際、千葉の八街などは「八街埃」などといわれる砂が多く付着するが、意外と発電はよかったりする。もちろん、きれいにできればそれがいちばんだが、上記のように設置場所の影響が大きく、清掃するにしても枚数が多いことから、費用対効果はあまり見込めないといえる。
盗難予防には植林も有効、電流は有資格者のチェックを
③盗難対策
太陽光発電の部材等の盗難は、千葉県、栃木県、茨城県などで多く発生している印象があるが、逆に、この地域に設備が多いからこそ、複数基(高圧)を盗難するのに都合がいいのかもしれない。
基本的な対策は保険対応がいちばんだと思われる。その理由として、設置範囲が広大で無人であるため、なかなか防ぐ手段がないからである。ちなみに、盗難されるのはほとんどがケーブルだ。太陽光だとパネルやパワコンなどがお金になりそうな気がするが、パネルなどは中古での転売が難しく(安い)、シリアルナンバーもあるため、ほとんど盗難の対象にはならない。
一方でケーブルは主に銅線でできているため、買い取りもされるし転用も可能だ。そのため、100スケアなどの太めのケーブルを中心に盗難の対象となる。とはいえ、小遣い程度の金額でしか売れないため、盗難する人間にとってもメリットは知れているだろう。
盗難には保険対応が基本と述べたが、保険料は2019年10月より上がっており、5年後、10年後を見据えるなら、現場対策はしておきたいものだ。
防犯対策にはまず、セキュリティ会社がある。費用はある程度高額なものの、25分以内で駆けつけてくれる。しかし、太陽光1基程度なら10分ほどで盗難可能なため、あくまで抑止力と考えるのがいいだろう。
以前警察から受けたアドバイスによると、まずそこに太陽光があることがわからないように、目立つ箇所に植林するといった対策を取ることが重要だとのことである。引き込みのケーブルを上から接続する(脚立などを使わないと切れない)、ケーブルを束ねて切断しにくくするといった方法のほか、防犯カメラや人感センサーライトの設置なども、地味ではあるが有効と考えられる。
④電流、クラック
いずれも設置業者やメンテナンス会社の対応範囲だと考えるが、電流は年1回でも有資格者にチェックしてもらうことをお薦めする。太陽光は「ストリングス」といってパネルが数枚繋がっている構造のため、1枚損傷しても発電量が大幅に低下してしまう可能性がある。クラックも同様だが、発電量が落ちることがあれば、あわせて点検してもいいかもしれない。
⑤災害対策
こちらについては、前回の記事、『巨大台風、記録的豪雨…太陽光発電オーナーはどう乗り切るか?』で詳述しているので、それを参照してほしい。追加事項として申し上げるなら、自然災害補償(一部信販の借り入れで自動付加)に加入しているか確認すること。仮に加入していても、パネル、パワコンなどのメーカーから送ってきた機器を誰が設置しに行けるのかなどといった事前確認を行っておこう。
株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング
難波 透
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