「安定型」は低レバレッジ商品に分散投資
今回は、ポートフォリオの基本型をベースにして「安定型」と「積極型」にアレンジしてみました。共に、現金30%、国内リスク資産40%、海外資産30%という分散比率は、基本型と同じです。ただし、それぞれの中身を変化させることで、安定運用型、積極運用型という具合に、自由に調整できるようにしてあります。
安定運用でいくのか、積極運用でいくのかは、その人の属性やそのときの世界経済の状況などによっても判断が必要です。
●安定型ポートフォリオ
安定運用が求められる資産については、国内リスク資産の配分や、海外資産への分散で、内容を変化させることで対応します。
国内リスク資産は、安定運用型のヘッジファンドのなかでもレバレッジが低い、もしくはレバレッジがない商品に分散して投資します。資産割合も基本型の例より5%多い25%。残りの15%を、REIT(国内不動産)に5%、割安感があって、配当の高い株式に7%、そして金などの値動きに近い商品ファンドに3%という割合です。
株式は、個別銘柄のなかでも低PBRで配当利回りの高いもの。個別銘柄の場合は、感覚で選択するのではなく、客観的なデータを基に、配当が高いなどの「リスク回避」ができるものを選択することが大切です。簡単にいえば、何か付加価値のある銘柄、ということです。
海外資産も、ドル資産についてはETFやREIT、債券などに投資します。いずれもある程度の流動性があり、いつでも換金できる強みがあります。新興国資産では、株式よりもリスクが少なく、高金利に期待した「債券」に投資します。どの国の債券がいいのか、期間はどの程度がいいのかは、そのときの状況によって判断するといいでしょう。
【図表1 安定型ポートフォリオ】
「積極型」はレバレッジをかけて高リターンを狙う
●積極型ポートフォリオ
積極型のポートフォリオの場合は、現金、国内リスク資産、海外資産の基本比率は維持しながら、レバレッジをかけられるものにはすべてかけることを考えます。
国内リスク商品は、いずれもレバレッジのある積極運用型のヘッジファンドに20%、REITやローンを組んだ形の国内不動産に10%、さらに空売りなども可能な株式の信用取引なども組み込んでいきます。
一方の海外資産も、米国株式や米国REITといった米ドル資産にレバレッジをかけて投資します。さらに、新興国資産としては割安な新興国不動産の現物購入などもいいのではないでしょうか。積極型になると、かなり高度な運用スキルが求められますから、信頼できるパートナーを探して、プロの助言とサポートを活用することが欠かせません。
【図表2 積極型ポートフォリオ】