19年度は非製造業が堅調
世界経済悪化で製造業は減益
■2019年度通期の経常利益の前年度比は、東証1部ベースで▲2.1%の減益となる見通しです。製造業は▲4.3%の減益ですが、非製造業が+3.7%の増益見通しです。
■これから日本企業の7-9月期の決算発表が本格化しますが、今期は減額修正となる見通しです。世界経済が米中の貿易摩擦を受けた追加関税の発動による悪影響などから減速しており、また、4-6月期に比べて円高・ドル安が進んだことなどが要因です。
世界経済は緩やかに回復
追加関税の悪影響は次第に消失
■世界経済は、2019年10-12月期、2020年1-3月期以降、緩やかに回復すると期待されます。米中交渉の不透明感が完全に払しょくされたわけではありませんが、米中の貿易交渉に一定の目途が立つこと、さらなる追加関税の発動が見送られることで、これまでの追加関税の悪影響が次第に消失すると考えられるためです。グローバルな景況感が改善するなど、景気の持ち直しが確認されれば、日本の企業業績も減額修正を乗り越え、増益基調へ回復すると期待されます。
20年度は製造業の2桁増益が株式市場を下支え
■世界経済の回復を背景に、2020年度の経常利益は+8.5%と増益への転換が予想されます。けん引役は製造業で+12.3%と2ケタの増益となる見通しで、株式市場を支えると考えられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年、株式市場を下支えするのは「製造業の2ケタ増益」か』を参照)。
(2019年10月25日)
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