7-9月期GDPは6.0%成長
過去最低を更新
■中国国家統計局は18日、主要経済指標を発表しました。19年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.0%と、前期からさらに0.2ポイント減速しました。市場予想を下回り、統計を遡れる1992年以降で最低となりました。米中貿易摩擦の影響で輸出が減速し、投資や消費など内需に波及したことから、景気が下振れしました。
生産、投資、消費とも減速
対1~6月比で伸び鈍化
■19年1~9月の鉱工業生産は前年同期比+5.6%と、1~6月の同+6.0%から減速しました。販売が低迷する自動車の生産や米国による追加関税の影響から産業用ロボットなどの生産が振るいませんでした。
■1~9月の固定資産投資は前年同期比+5.4%となり、1~6月の同+5.8%から伸び率が縮小しました。内訳をみると、約6割を占める民間投資が同+4.7%と、1~6月の同+5.7%から大きく鈍化しました。
■1~9月の小売売上高も前年同期比+8.2%と、1~6月の同+8.4%から減速しました。自動車販売の不振が続いています。
米中協議の一段の進展を期待
■中国政府は、19年の成長率目標「6.0~6.5%」の達成に向けて景気対策を継続し、景気失速を回避させるとみられます。ただし、財政バラマキ抑制方針の下で、インフラ投資の拡大ペースは控えめとする一方、最優遇貸出金利(LPR)の採用によって貸出金利を引き下げ、金融緩和への依存度を高める模様です。
■米中両政府は閣僚級貿易協議で、中国が農産品の購入再開で譲歩する代わりに、米国が追加関税を見直す「部分合意」に達しました。更なる合意に向けた米中協議の一段の進展が期待されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国経済は減速が続く…7-9月期のGDP成長率は6.0%』を参照)。
(2019年10月18日)
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