株式市場は反落
■インド株式市場は、政府が9月20日に大幅な法人税減税を発表したことを受けて、企業収益の改善や景気の回復期待から急上昇しましたが、その後は利食い売りや世界景気の減速懸念に押されて反落しました。代表的な株式指数であるSENSEX指数は、9月に3.6%高となりましたが、10月に入り▲2.6%安となっています(10月4日時点)。インド準備銀行(RBI)は10月4日に追加利下げを決定しましたが、市場の予想通りだったため買い材料とはなりませんでした。
RBIは追加利下げを決定
■RBIは4日、金融政策決定会合で政策金利を5.4%から0.25%引き下げ、5.15%にすることを決定しました。利下げは市場予想通りで5会合連続です。6人の政策委員のうち5人が0.25%の利下げに投票し、1人が0.40%の利下げに投票しました。金融政策スタンスは緩和的を継続しました。
■また、2019/20年度の実質GDP成長率見通しを6.9%から6.1%へ下方修正しました。一方、消費者物価上昇率見通しについては、2019/20年度下期を3.5-3.7%で据え置きました。
次回の金融政策決定会合も追加利下げを予想
■RBIは、消費者物価上昇率がインフレ目標レンジ(4±2%)に収まっている限り、景気下振れリスクに対して、政策金利の引き下げ余地があると声明文で述べています。インフレリスクが高まらない中、足元の景気が減速しているため、RBIは次回の金融政策決定会合でも追加利下げを行うとみられます。
■RBIの追加利下げに加え、インド政府の相次ぐ景気対策が奏功し、株式市場が堅調さを取り戻すことが期待されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場反落、金融緩和と景気対策の奏功に期待』を参照)。
(2019年10月7日)
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