「やりたい!」から「できた!」へ…モンテッソーリ教育の凄さ

こどもがなかなか言うことを聞いてくれない、しつけをどのようにしたらいいか迷っている…。0歳~6歳を迎える前のお子さんがいるご家庭では、こういった悩みが多いのではないでしょうか。本記事は、『自分で考えて動ける子になるモンテッソーリの育て方』(実務教育出版社)から一部を抜粋し、「こどもは適切な時期に適切な環境が与えられれば、自分の力で成長できる」とする、モンテッソーリ教育に基づいた子育てのヒントを紹介します。

「結果」より「過程」を大切にして育てよう

多くの大人は、日常生活では目的達成や結果を求めて行動していることでしょう。でも、こどもにとってはそうではありません。こどもは日常生活の過程自体を楽しんでいるのです。

 

モンテッソーリ教育は、日常生活を教材にしています。たとえば、大人は洗濯するとしたら服をきれいにしたいと思うものです。でも、こどもは手や腕や指先を使ってゴシゴシすること、泡や水の感覚を楽しんでいるのです。

 

1歳半頃に「やりたい、やりたい」「する、する」と言って、大人の手を払いのけたりすることがありませんでしたか?大人から見たら「まだできないのに・・・」と思うけれど、本人は「やるー!」と言って聴かないことがあります。

 

また、こどもが靴下を脱いだり履いたりを何度も繰り返す時期がありますね。これも、脱いだり履いたりするプロセス自体を楽しんでいるのです。

 

モンテッソーリ教育の理論には、敏感期というものがあります。生まれ持った力が、自然に成長していくためのエネルギーが花開き、「やりたい!」という気持ちにつながります。これが敏感期によく起こることです。

 

こどもにとっては、このプロセスがとても大切なのです。その過程で、身体的にも、精神的にも成長していきます。「できた!」と実感できることが、自信や肯定感にもつながります。

 

興味があるものに、とことん気がすむまで取り組むことで学び、満足し、次のステップに進んでいくのです。ですから、私たち親は、こどものプロセスをゆったりと見守ってあげたいですね。

 

イラスト:hashigo
イラスト:hashigo

まず、こどもに「共感」する

誰かに共感してもらえると、「あ、わかってくれているんだ」という気持ちになりませんか?こどもも同じで、共感してあげると、安心して落ち着きます。

 

泣く子には、まず「そうだね」と共感しましょう。泣いている理由をことばにしてあげるのも、1つの手です。気持ちを整理してあげるのです。泣きやませようとして何かするのではなく、そこに寄り添うことが一番大事なことです。

 

話を〝聴く〟〝共感する〟ことは、気持ちを伝えることの大切さをこどもに教えることにもなります。

 

こどもが話すことを、まわりの大人が注意深く聴く。「それは◯◯だったんだね」と共感する。

 

結論を出すのではなくて、「そうだったんだ」「つらかったね」「楽しかったね」と共感する。これは、こどもが自分の気持ちを相手に伝えることの大切さを経験できる機会です。親が共感する姿勢で話を聴くことで、こどもの心に響くのです。

 

自分の思いを話して共感してくれる人がいれば、こどもは自分を信じる気持ち、自分の人生を肯定する気持ちを身につけることができます。

 

それには、まず身近な両親からです。心を込めて、目と耳を向けて、わが子の話を聴いてあげてほしいのです。

 

注意したいのは、話を聴いている親が先回りして「それってこういうことだから、こうじゃないの?」と結論を言ってしまうことです。こどもは結論を望んでいません。ぜひ共感してあげましょう。

失敗や間違いと「おともだち」になる

こどもの失敗は、積極的に受け入れましょう。小さい頃の失敗は、必ずしも悪いことではなくて、むしろいいことかもしれません。

 

とくに乳幼児期は発達が進んでいる最中ですから、間違えながら学んでいることもあるでしょう。最初から親が完璧を望んでいたら、こどもは失敗できなくなってしまいますよね

 

「失敗は悪いこと」ととらえるのは、その子の成長や学ぶ芽を摘んでしまうことになります。失敗や間違いとは、むしろおともだちになることが大切です。

 

なぜなら、失敗から立ち直る力こそが、人間にはとても重要だからです。こどもも大人と同じ。失敗とおともだちになり、失敗を恐れない心を持つほうが、より成功に近づけるのではないでしょうか。

 

親が「失敗とおともだち、間違いとおともだち」という意識で接していると、親自身もラクですし、こどもも間違いから学べて自立にもつながります。

 

こどもに失敗させられないからと、なんでも肩肘を張っていたら、世のおかあさんも疲れきってしまいます・・・。いい加減さ(〝良い〟加減さ)やユーモアの心は、生きるうえでとても重要です。

 

こどもも親も、「失敗もいいじゃない」というくらいの気持ちで、少しゆったりかまえてみませんか。

 

 

上谷 君枝

モンテッソーリ 久我山子どもの家 園長

 

石田 登喜恵

モンテッソーリ 久我山子どもの家 教師

 

モンテッソーリ 久我山こどもの家 園長

1985年に東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターにて、3-6歳モンテッソーリ国際教師資格(ディプロマ)を取得。88年に「自然の中でのモンテッソーリ教育 高尾こどもの家」を開園。

現在は久我山こどもの家を運営。33年間、モンテッソーリ教師として、お子さんがよりよい人生できるよう両親のサポートする。

また、カンボジア西部バンテイメンチェイ州で小学校作りに参加するなど、活動の場を広げている。

著者紹介

モンテッソーリ 久我山こどもの家 教師

「モンテッソーリ 善福治子どもの家」に通い、モンテッソーリ教育に出会う。共立女子短大卒業後、イギリスに留学。帰国後自らの根幹であるモンテッソーリ教育を学ぶために、東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターにて、3-6歳モンテッソーリ国際教育資格を取得。

横浜、上海の「美しが丘子どもの家」で勤務した後、高尾子どもの家に勤務。0-3歳の乳幼児期の重要性を痛感し、アメリカデンバーAMIモンテッソーリ乳児アシスタントコースにて0-3歳モンテッソーリ国際教育資格を取得。06年、久我山子どもの家インファントクラスを創設し、現在に至る。

著者紹介

連載自分で考えて動ける子になる!モンテッソーリの育て方

0~6歳 すぐ手助けするより、じっくり見守る 自分で考えて動ける子になる モンテッソーリの育て方

0~6歳 すぐ手助けするより、じっくり見守る 自分で考えて動ける子になる モンテッソーリの育て方

上谷 君枝,石田 登喜恵

実務教育出版

モンテッソーリ教育とは、“こどものポテンシャルを大きく引き出す”として、いまの最も注目されている教育法の1つ。 ・自分で順序立ててものを考えることができる ・状況の読み取りが早く、臨機応変に対処することができ…

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